東名あおり運転、審理差し戻し 高裁「手続き違法」

2019/12/6 11:34 (2019/12/6 13:02更新)
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2017年6月、無理やり停止させられた車の夫婦にトラックが追突し死亡した事故で、移動される車両(神奈川県大井町の東名高速道路)=共同

2017年6月、無理やり停止させられた車の夫婦にトラックが追突し死亡した事故で、移動される車両(神奈川県大井町の東名高速道路)=共同

神奈川県の東名高速道路で2017年、あおり運転で停車させられた車の夫婦が死亡した事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた石橋和歩被告(27)の控訴審判決が6日、東京高裁であった。朝山芳史裁判長は懲役18年とした一審・横浜地裁の裁判員裁判判決を破棄した上で、審理を地裁に差し戻した。

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判決は一審の公判前整理手続きに不備があり、訴訟手続きが違法だったと判断した。今後、横浜地裁で改めて裁判員裁判をやり直す。一方で一審の認定事実に基づけば、危険運転致死傷罪が成立する可能性があるとの見解も示した。

朝山裁判長は一審・横浜地裁が裁判官だけの話し合いで危険運転致死傷罪が成立しないと一度は判断し、公判前整理手続きで検察側、弁護側にも見解を表明した点を問題視。法律の適用については裁判官と裁判員が協議して決めると定めた裁判員法に違反し「越権行為だ」と批判した。

地裁が審理中に見解を変更して同罪の成立を認め、有罪を言い渡したのは「被告と弁護人に対する不意打ち」と指摘し、この手続きが違法だったと結論づけた。

一方、一審判決に基づけば被告による妨害運転は被害者に大きな恐怖心を覚えさせ、高速道路上での停車を余儀なくさせるものだったと指摘。停車後の暴行で後続車両の追突の危険性が高まり、事故を招いたとして、危険な運転と事故との間に因果関係を認めた。

事故は17年6月5日に発生。東名高速で石橋被告のあおり運転を受けて無理やり停車させられたワゴン車に大型トラックが追突し、萩山嘉久さん(当時45)と妻、友香さん(同39)が死亡、娘2人も負傷した。

自動車運転処罰法は危険運転について、酒や薬物の影響で正常運転が困難な状態での走行や「通行妨害の目的で重大な危険を生じさせる速度で運転する行為」などと定めるが、停車行為は明記されていない。公判では、停車が危険運転に当たるかや、あおり運転と事故に因果関係はあるかが争点となった。

18年12月の一審判決は石橋被告の停車行為は同罪に当たらないとした一方、妨害運転と停車、停車後の暴行が密接に結びついて事故を招いたとして因果関係を認め、同罪を適用。弁護側はこれを不服として控訴した。

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