参院選「1票の格差」合憲判決多く 各地の高裁

2019/12/5 18:08
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「1票の格差」が最大3.00倍だった7月の参院選を巡り、2つの弁護士グループが全国14の高裁・高裁支部で選挙無効を求めた16件の訴訟の判決が5日までに出そろった。2高裁が違憲状態とした一方で合憲判断は14件に上り、国会の選挙制度改革に取り組む姿勢を評価する判断が目立った。最高裁は2020年にも統一判断を示す見通しだ。

最高裁は17年の大法廷判決で、最大格差が3.08倍だった16年の参院選について合憲と判断。国会が合区を導入した15年の改正公職選挙法の付則で、19年参院選に向けて「制度の抜本的見直しに必ず結論を得る」とした点も評価した。その後、18年の公選法改正で参院は定数6増となり、今年の参院選では格差がわずかに縮小した。

今回の一連の訴訟で違憲状態と判断したのは高松、札幌の2高裁。高松高裁は18年の法改正を「弥縫(びほう)策にすぎない」とし、3.00倍の最大格差を「常識的に考えて許容しがたい」と厳しく批判。札幌高裁は都道府県を選挙区の単位とする仕組みが格差の主な原因だとした上で、「法改正は抜本的見直しとは評価できない」と指摘した。

これに対し、合憲とした14件の多くは格差縮小や国会の姿勢を前向きに評価した。4日の東京高裁判決は、制度改革を引き続き検討するとした参院特別委員会の付帯決議を「国会の決意が示され、かつてのような大きな格差を生じさせないよう配慮されている」とし、合憲と判断した。参院選の1票の格差は過去には6.59倍(1992年の選挙)に達していたこともある。

参院選「1票の格差」訴訟の東京高裁判決後、記者会見する山口邦明弁護士(左)(4日午後、東京都内)=共同

参院選「1票の格差」訴訟の東京高裁判決後、記者会見する山口邦明弁護士(左)(4日午後、東京都内)=共同

4日の判決後に東京都内で記者会見した弁護士グループの山口邦明弁護士は「全く素っ気ない判決だ」と批判。「(現行制度では)国会は国民の意思を反映していない。改正法の付則が無視されている」と語った。

一橋大の只野雅人教授(憲法)は「制度の抜本的是正が果たされていないのは明らかで、違憲状態とした2件も十分理解できる」と指摘。14件の合憲判断については「最高裁が前回参院選を合憲とした後に格差がさらに縮んだ経過からすれば、違憲状態の判断は出しにくいだろう。国会対応を評価しながら、さらなる努力を促す判決といえる」と話している。

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