アルゼンチン中銀総裁が辞任を表明 新大統領に配慮

2019/12/5 5:11
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【サンパウロ=外山尚之】アルゼンチン中央銀行のサンドレリス総裁は4日、円滑な政権移行に協力するため、10日の新大統領就任を機に辞任すると表明した。サンドレリス氏は通貨安で為替市場が混乱のさなかにあった2018年9月に就任し、マクリ政権や国際通貨基金(IMF)との調整役を担った。

アルゼンチン中央銀行のサンドレリス総裁(10月、ブエノスアイレス)=ロイター

サンドレリス氏は緊急記者会見で「辞任により、次期大統領が彼の信じる経済計画を実行するための人事が自由にできる」と述べ、政権移行を円滑に進めるための措置だと説明した。10日に就任するアルベルト・フェルナンデス次期大統領は中銀総裁の交代を示唆していた。

サンドレリス氏は民間金融機関出身で、マクリ政権で財務副大臣としてIMFとの債務交渉を担った。18年8月のトルコ・ショックを機にアルゼンチン通貨が暴落し、カプト前総裁が辞職したことを受けて中銀総裁に就任した。

中銀総裁として、IMFの意向を受けて為替介入を控える手法を推進し、一時は通貨安を抑えることに成功した。しかし、今年8月の大統領選予備選でフェルナンデス氏の優位が明らかになるとペソ売りが再燃し、通貨を安定させるため、中銀の為替介入や政府の資本規制に頼らざるを得ない状況となっていた。

サンドレリス氏は記者会見で「中銀を率いた経験によるフラストレーションの一つは、健全な通貨の重要性という共通認識を中銀が築くことができなかったことだ」と述べ、悔しさをにじませた。

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