教員の労働時間、年単位管理が可能に 改正給特法が成立

2019/12/4 20:49
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高校受験で試験の開始を待つ中学生

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教員の働き方改革を進めるため、勤務時間を年単位で管理する変形労働時間制の導入を可能にする改正教職員給与特別措置法(給特法)は4日の参院本会議で、自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。繁忙期の勤務時間の上限を引き上げる代わりに、夏休みなどの間に休日をまとめ取りできるようにする狙いがある。

年単位の変形労働時間制は労働基準法が定めているが、教員は対象外だった。原則として1日8時間以内と決まっている労働時間を、繁忙期には平均で週40時間を超えない範囲で延長できる。

改正法成立によって、自治体の判断で2021年4月から導入できる。残業時間の上限を月45時間、年360時間とする文部科学省のガイドラインも、文科相が定める「指針」に格上げされる。

文科省は変形労働時間制を導入した場合、4月などに勤務時間を週3時間増やし、夏休みがある8月に5日程度の休みをとるといったイメージを描く。導入は指針の順守を前提とし、部活動指導での外部人材の登用といった対策も総合的に進める考えだ。

教員の中には「長時間労働が改善されないまま1日の所定の労働時間が長くなり、見かけ上の残業時間が減るだけではないか」との懸念もある。夏休み期間中も部活動指導や研修があり、休めないという声も多い。

改正に反対する署名をインターネットで集めている岐阜の県立高校教諭の西村祐二さんは「8月は閑散期ではない。仮に閑散期だとしても4、5月の疲れを8月に癒やし、9、10月の疲れも8月に癒やすのか。確実に過労死が増える」とする。署名は4日時点で5万筆を超えた。

文科省は夏休みを長くとれるようにして教職の魅力を高めることも狙うが、都内の大学の教育学部に通う20代の男性は「教職の魅力は十分分かっているが労働条件の悪さがそれを上回る。教職に就くのを迷っている」と話している。

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