中国外相、米ミサイル配備で韓国けん制
5年半ぶり訪韓

習政権
2019/12/4 18:24 (2019/12/4 22:04更新)
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ソウルで会談した中国の王毅外相(左)と韓国の康京和外相(4日)=ロイター

ソウルで会談した中国の王毅外相(左)と韓国の康京和外相(4日)=ロイター

【北京=羽田野主、ソウル=恩地洋介】中国の王毅(ワン・イー)外相は4日、ソウルを訪問し、韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相と会談した。米ロの中距離核戦力(INF)廃棄条約が失効したなかで、韓国に米国の中距離ミサイルを配備しないようにクギを刺したとみられる。

王毅外相の公式訪韓は2014年5月以来、約5年半ぶり。5日には文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談する。日韓関係の修復を呼びかけ、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席の訪韓時期の調整も進める。

王氏は康氏との会談で、米国を念頭に「最大の脅威は国際秩序を破壊する一方主義と国際関係規則に挑戦する覇権主義だ」と強調。「中韓で連携を強化し、地域の平和と安定に積極的に役割を果たそう」と話した。康氏は政治や経済など各分野の活発な交流再開に期待を示した。

王氏が地域安定への協力を呼びかけたのは、米ロで核を含む地上発射型の中・短距離ミサイルの配備を禁じたINF廃棄条約の失効が念頭にあるためだ。中国はトランプ米政権が東アジアで中国に照準を合わせた中距離ミサイルを配備する事態を懸念している。

とくに中国に近い韓国や日本、オーストラリアへの配備を警戒している。中国外務省は「米国がアジア太平洋地域への配備にこだわるなら、中国の玄関先での挑発で、絶対に座視しない」と主張している。

中韓関係は16年に韓国の朴槿恵(パク・クネ)前政権が米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の韓国配備を決めたことに中国が猛反発し、いまも冷え込んでいる。

中国は韓国に報復措置を発動している。団体旅行客の訪韓制限や、中国内の韓流コンテンツの締め出しを続けている。米軍に用地を提供したロッテマートは中国からの撤退を迫られた。

中韓外相は今年9月にニューヨークで会談。中国国営の新華社によると、王毅外相は「敏感な問題を適切に処理」するように主張した。今回も米国の中距離ミサイルを韓国内に配備しないようにけん制したとみられる。

中韓は習氏の訪韓時期も調整する。17年に文大統領が訪中しており韓国側には「次は習主席が訪韓する番だ」との声が強い。習氏の訪韓と合わせた報復措置の解除にも期待を寄せている。来春に習氏が国賓来日する際に韓国に立ち寄る案などを検討している。

王毅外相は日韓関係の修復も働きかける。12月24日に中国の成都で日中韓首脳会談を予定していることから、議題の根回しなどをする。日韓や米韓関係がぎくしゃくしており、中国が日中韓の調整役として存在感を高める好機と見ているようだ。

中国は北朝鮮との「対話による解決」を旗印に、北朝鮮と韓国を引き寄せて対米外交のカードとする戦略を描いている。北朝鮮は年末が米国との非核化を巡る交渉期限と主張しており、再び朝鮮半島に緊張が高まりつつある。中韓で米朝の対立が再び激化しないように連携を探るとみられる。

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