JR北海道の収支にサプライズ、「札幌圏」が黒字転換

北海道
2019/12/4 18:15
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訪日外国人客が伸び快速エアポートが好調だった

訪日外国人客が伸び快速エアポートが好調だった

JR北海道が4日公表した2019年4~9月期の区間別収支状況によると、4月に廃線した石勝線の夕張支線(夕張―新夕張)を除く23区間のうち22区間が営業赤字だった。ただ、札幌市と新千歳空港(千歳市)をつなぐ「快速エアポート」が好調で「札幌圏」が営業黒字に転換するなど、薄日も差し込んできた。

売上高にあたる営業収益は20区間で伸びた。18年9月の北海道胆振東部地震直後の運休などによる落ち込みの反動増もあり、23区間合計の営業収益は前年同期比5%増の404億円だった。

営業赤字は218億円(前年同期は226億円)と、8億5100万円圧縮した。営業損益は12区間で改善。修繕費などの営業費用はかさんだものの、増収効果で採算が上向いた。

特に収支が改善したのは札沼線(桑園―医療大学)、函館線(札幌―岩見沢)、千歳・室蘭線(白石―苫小牧)、函館線(小樽―札幌)からなる札幌圏。合計営業収益は6%増の214億円だった。

札幌圏の営業損益は4億6100万円の黒字(前年同期は4億1800万円の赤字)とプラスに転じた。快速エアポートは訪日外国人客が伸び、4~5月のゴールデンウイーク10連休で北海道を訪れた国内客も追い風となった。

一方、北海道新幹線は低迷が続く。営業収益は55億円と2%伸びたが、在来線との共用走行区間でレールや電車線を交換したことでコストが増加。営業赤字が31億円(前年同期は30億円)と4900万円膨らんだ。

乗客数が低迷している地方4区間の営業損益はほぼ前年並み。根室線(富良野―新得)で線路の修繕が増えた。日高線(鵡川―様似)で前年同期に比べて修繕費が減ったものの営業赤字は100万円悪化し、10億円だった。

輸送密度が200人以上2000人未満で、同社が単独で維持困難とする8区間でも目立った改善は見られない。合計の営業赤字額は61億円と700万円悪化した。「くしろ湿原ノロッコ号」や「風っこそうや」といった観光列車による増収はあったが、線路や橋梁の修繕コストが重い。

4~9月の区間別収支を公表するJR北海道の綿貫泰之常務(左)(札幌市内の本社)

4~9月の区間別収支を公表するJR北海道の綿貫泰之常務(左)(札幌市内の本社)

JR北海道は今期から、区間別収支の四半期開示を始めた。通年では公表を始めた15年3月期から5期連続で全区間赤字が続いている。記者会見した綿貫泰之常務は札幌圏の営業黒字確保について「1年通してみないとわからない」と慎重な姿勢を崩さなかった。

札幌圏の健闘は復活への兆しか、それとも瞬間風速か。新幹線が札幌に延伸する翌期の31年度に目指す連結黒字化に向け、稼ぐ力の改善に終わりはない。19年下期の区間別収支でも札幌圏に注目が集まりそうだ。

(高橋徹)

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