サンアスタリスク、農林中金から10億円を調達

2019/12/4 16:59
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ソフトウエア開発のサンアスタリスク(東京・千代田)は4日、農林中央金庫を引受先とする第三者割当増資で約10億円を調達したと発表した。

サンアスタリスクの小林泰平CEO

調達した資金で、ベトナムで手がけるIT(情報技術)人材の育成事業をフィリピンや南米などに拡大する。IT専門家や資金をスタートアップ企業に提供する「クリエイティブスタジオ事業」も強化する。

サンアスタリスクが外部から株式発行で資金を調達するのは初めて。他の金融機関や事業会社とも出資交渉を進めており、20年初めまでに総額20億円の調達を予定している。

2019年の売上高は約45億円を見込んでおり、12年の創業から黒字が続いているという。それでも外部から資金調達する理由について小林泰平最高経営責任者(CEO)は「大きな投資で事業成長を加速させたい」と話している。

将来の新規株式公開(IPO)を視野に入れており、上場後も長期で株を持ち続けてくれる機関投資家を開拓する狙いもあるようだ。

主力の「クリエイティブスタジオ事業」は同社が抱えるエンジニア人材を企業に送り込み、ソフトウエアの開発を支える内容だ。

相手がスタートアップの場合は、高額の報酬を支払ってエンジニアを採用する余力がないことが多い。このためサンアスタリスクが資金も投じ、対価として株式を取得する。

これまでに20社近くを支援してきた。小林氏によれば「支援先の株式価値が大きく成長している」という。調達資金で人材を増やし、同事業の売上高を22年には100億円と、19年見通しの3倍に引き上げる計画だ。

もう1つの軸が東南アジアで展開するIT人材の育成事業だ。13年からベトナムの大学と提携し、日本語とITを教えるプログラムを提供する。卒業時に高度なIT人材として日本企業に紹介し、収益を得るモデルだ。「ベトナムのトップクラスの学生は東京大学や東京工業大学の学生と比べても能力に遜色ない」(小林氏)という。

現在は5大学と提携し、生徒数は1500人に達する。今後はフィリピンやマレーシア、バングラデシュといった他の東南アジア諸国やブラジル、ペルーなど南米でもプログラムを展開する。少子高齢化を背景に日本のIT人材は不足が続く見通し。同社は人材関連事業を22年に20億円の売り上げ規模に育てる方針だ。

農林中金は63兆円の資金を運用する大手の機関投資家。19年度から5年間の中期経営計画で、未公開株への投資に力を入れる方針を打ち出している。サンアスタリスクは第1号の投資案件となる。「基本的に純投資を目的としているが、取引先企業の課題解決でも連携したい」(農林中金)という。

(鈴木健二朗)

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