三越伊勢丹がANAHDとロボ店舗 日本橋で期間限定

2019/12/4 16:20
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ANAホールディングス(HD)と三越伊勢丹は4日、遠隔操作ロボット技術「アバター」を活用したロボットで買い物ができる店舗を東京・日本橋にオープンすると発表した。ロボを操作し遠隔地からでも実際に店内にいるような感覚でショッピングを楽しめる。ANAHDは2020年度内に日本橋にロボを100体投入しアバターの社会インフラ化を目指す。

発表会に登場したANAHDの「ニューミー」や関係者(4日、東京都中央区)

「ニューミー」に顔を表示し、離れた場所からでも店員とコミュニケーションを取りながら買い物ができる(4日、東京都中央区)

利用者は離れた場所からパソコンなどを通じて操作し、「ニューミー」を移動させたり会話したりできる。ニューミーの正面のほか足元も映し出して操作をしやすくする(4日、東京都中央区)

店舗は5日、東京・日本橋にある三井不動産の商業施設「コレド室町3」の3階に開設する。クリスマス商戦の24日までの期間限定で運営し、美術品をモチーフにした菓子など東京や京都、奈良、九州の各国立博物館とコラボレーションしたギフト商品を販売する。

同店にはANAHDが独自開発した普及型のコミュニケーション用の遠隔操作ロボット「ニューミー」を計5体導入する。うち1台は常時、店内で稼働させる。利用には事前予約が必要になる。

ニューミーは操作する人の顔などの映像を映すディスプレーと駆動部で構成される。利用者はパソコンなどを介しインターネット経由でニューミーにアクセスして操作。店舗内を自由に動き回らせ、ニューミーの「目」代わりとなるカメラのライブ映像から商品を見たり店員と会話をしたりしながら買い物ができる。

4日日本橋で開かれた発表会で、三越伊勢丹の牧野伸喜執行役員は「アバターで日本と世界のお客さまにつながることができるのを期待したい」と述べた。店員の接客や店内陳列への心配りなど単なるオンライン販売では生かせない百貨店ならではの強みが、アバターやニューミーであれば国内外に打ち出せると期待する。

事前の実験では、アバターを使うことで顧客と店員との会話時間が伸びたという。今回の期間限定店舗を通じて、接客時間などのデータを収集・蓄積する。21年度以降は三越伊勢丹の百貨店など常設店舗にも広げる見込みだ。

一方ANAHDは、20年1月から日本橋で開催されるアート展をニューミーを通じて体験できるようにする。また3月からは同じく日本橋にある宇宙ビジネスの交流拠点にもニューミーを導入するほか、日本橋で働く人や住民向けの多目的スペースにも設置して、遠隔での地域の子供への教育などに活用する。

航空事業を本業とするANAHDだが、アバターにかける期待は大きい。国際航空運送協会(IATA)によると世界の旅客数は2037年までに82億人と現在の倍に伸びる見込み。経済成長が続くアジアを中心に航空需要は増加が見込まれているが、ANAHDによると航空機が利用できるのは世界人口の6%にとどまっている。

アバターを使えば、航空機を利用できない層へも疑似的な「移動」を提供でき、事業の拡大につながる可能性があるという。アバターにより旅行などを疑似体験することで「今度は実際に行ってみたいと思うようになり、眠っていた需要にもつなげられる」(ANAHDの芝田浩二上席執行役員)といい、航空事業との相乗効果に期待する。

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