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欲を出しすぎず 現状から目をそらさない

2019年11月30日、アウェーのアルコルコン戦。13試合ぶりに先発から外れた。

2週間前のフエンラブラダとの上位対決でフル出場した僕の出来は芳しくなかった。得点を決められなかっただけでなくスプリント数も減少、試合にも2-3で敗れた。

試合後、自分なりに分析した結果、心理面の不安定さに問題があったと感じた。

例えば、ゴール前でボールを待っていてもイメージ通りのパスが来ない。そのたびに落胆すると切り替えは遅くなり、結果的にスプリント数も減る。無心でプレーできていなかったことに気づき、そういう自分が許せなかった。

 フエンラブラダ戦の前半、攻め込むウエスカの岡崎(右)=共同

僕の武器は、どんなクラブでプレーしても変わらない。それはチームの勝利に貢献できる選手だということ。その次のポンフェラディーナ戦は無心で走った。点は取れなかったが、勝利のためにやり切った手応えはあった。

その直後の先発落ち。驚いたが、動揺はない。気持ちの整理はついているからだ。

これまでは、移籍するたび、チームに貢献するために何が重要かを考え、プレーし、その後で点を取るという段階を踏んできた。それが初めての2部リーグで、そういう段階を踏まずに「点を取り、上へ行く」ことばかりに気持ちが先走ってしまった。なのに思うように点は取れない。僕の中に焦りが生まれ、それがチームメートへのいらだちに変わっていったのだろう。

パスをくれるのが「あいつだったら」と、かつての仲間の顔が浮かんだこともある。1部リーグ昇格に対する欲が強すぎ、上を見過ぎて、目の前のこと、足元の現状が見えていなかった。

過去とは違う気持ち、アプローチで挑むのも大切だ。ウエスカに来た当座、得点へ強いこだわりを抱いたことに後悔はない。激しくコンパクトな陣形の中で、FWに良いボールが出てくる回数は多くない中で、何ができるのか。そのトライが、自分の成長につながると今は信じている。

地元のインターナショナルスクールに通う2人の息子たちは、新しい環境に素早く順応したようだ。日本語も英語も使える機会はわずかでも、一人遊びをする場面があっても、それはそれとして受け入れ、自分なりに工夫して過ごしている。そんなたくましい姿に学ばされる点もある。

2部の色に染まってはいけないし、危機感は強い。しかし、自分が立つ場所から目をそらしてもいけない。チームのために走る、自分の原点をここに来て再確認できた。1試合のスプリント数の平均は30本台と5、6年前のマインツ時代と変わらない。まだまだ走れる。

休日に息子たちとボールを蹴った。2年前に足首を痛めてから、遊びですら痛みとの戦いだったが、今は痛みもない。それだけでも幸せだ。

(ウエスカ所属)

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