多重介護苦か 福井、高齢親子死亡で逮捕の妻

2019/12/4 12:59
保存
共有
印刷
その他

福井県敦賀市の住宅で11月、70代男性と90代父母が殺害された事件は、男性への殺人容疑で逮捕された妻の岸本政子容疑者(71)が3人の世話や介護を担っていたことから、高齢者による「多重介護」の実情を改めて明るみに出した。捜査関係者は事件の一因となった可能性を指摘するが、逮捕後間もなく黙秘に転じ、直接のきっかけや動機は分かっていない。

70代男性と90代父母が殺害される事件があった住宅(3日午後、福井県敦賀市)=共同

70代男性と90代父母が殺害される事件があった住宅(3日午後、福井県敦賀市)=共同

事件は11月17日、同市郊外の山あいの集落で発生。岸本容疑者の夫で会社役員の太喜雄さん(70)、太喜雄さんの父の芳雄さん(93)と母の志のぶさん(95)が一軒家で死亡しているのが見つかった。いずれもタオルで首を絞められたとみられ「3人を殺した」と認めた同容疑者が逮捕された。

市などによると、志のぶさんは日常生活に部分的な介助が必要な「要介護1」、芳雄さんは要介護前段階の「要支援2」で、太喜雄さんも数年前から足が不自由だった。定期的にケアマネジャーが訪問していたが、市へ相談はなかったという。

周辺住民は岸本容疑者が職場や病院への3人の送迎、食事の介助を1人でこなし、今年に入って「しんどい」と周囲に漏らしていたと証言。「結婚して敦賀に来たが、感じも良く、愛される人だった」(70代女性)が「3人の世話で手いっぱい。疲れてうつっぽかった」(同)ともみられていた。

捜査関係者によると、逮捕直後に「もう疲れた」「高血圧でしんどい」と介護の苦労を説明したものの、その後の2週間は黙秘しているという。

事件後、自ら親族に連絡するまで5時間前後の間があり、順番に首を絞める手口から「相当な殺意があった」(捜査幹部)との見方も出ている。県警は勾留期限の7日にも義父母への殺人容疑で再逮捕する方針で、動機などの解明を進める。

〔共同〕

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]