米中合意「大統領選後でも良い」、トランプ氏が言及
【ロンドン=中村亮】トランプ米大統領は3日、中国との貿易協議をめぐる合意について「(2020年11月の米大統領)選挙後まで待つという考え方を気に入っている」と語った。中国経済への打撃となりうる貿易協議の長期化をちらつかせ、中国をけん制する発言だ。トランプ氏は「中国は合意を望んでいる。合意が適切かどうか見てみよう」と語り、中国の出方をうかがう考えを示した。
北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長との会談中に記者団の質問に答えた。トランプ氏は貿易協議について「期限は設けていない」とし、協議が長期化してもかまわないとの考えを示した。トランプ氏は協議が長引くほど中国経済がダメージを受け、交渉で有利になるとみているフシがある。貿易協議のカギは「私が合意したいと思うかにかかっている」とも語り、中国に譲歩を迫った。
トランプ政権は米中が合意に至らなければ、15日にほぼ全ての中国製品に対象を広げる制裁関税「第4弾」の残りを発動する予定だ。ロス商務長官は2日の米メディアのインタビューで「15日が理論上の期限だ」と説明し、中国に譲歩を迫っていた。
一方、トランプ氏は「中国とは現時点でとてもうまくやっている」とも説明した。貿易合意ができれば「もっとよくなるだろう」と語り、交渉の進展にも意欲を示した。