変わる関西地下街、梅田「食」京都「女性」 個性競う

小売り・外食
関西
2019/12/3 20:00
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関西の地下街で大規模改装など店舗をてこ入れする動きが広がる。大阪・梅田の地下街「ホワイティうめだ」は5日、東側を飲食店街に改装開業する。京都駅前の「ポルタ」は一部店舗を女性向けに入れ替えた。関西の地下街は1960~70年代の開業が多く、再開発が進む地上の商業施設と比べて店舗の新陳代謝が遅れていた。地下街の活性化は人の流れを呼び、地上も含めた地域の魅力向上につながりそうだ。

5日に改装オープンするホワイティうめだのシンボル「泉の広場」(3日、大阪市北区)

5日に改装オープンするホワイティうめだのシンボル「泉の広場」(3日、大阪市北区)

■ホワイティうめだ 食シフト

大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)の子会社、大阪地下街(大阪市)は3日、地下街では全国で最大級のホワイティうめだ東側の改装部分を公開した。全体の5分の1にあたる35店が全て飲食や食品販売店になり、若者や会社員が立ち寄りやすいバルや立ち飲みエリアを設けた。梅田周辺にオフィスやタワーマンションが増え、食の需要が伸びていることに対応する。

改装前は単価の高い物販・サービス店がテナントの4割を占めていた。町野和道社長は「電子商取引(EC)の普及やファストファッションの流行で稼ぎ頭だった衣料品や物販が苦戦している」と説明する。

ホワイティは前身の地下街が63年に開業した。今回約58億円を投じて飲食店街にしたエリアは70年の開業から大規模改装は初めて。グランフロント大阪の開業などで人の流れが梅田の北側に移り、ホワイティの東側は客足が離れていた。

■京都・ポルタ 女性に照準

JR西日本グループの京都ステーションセンター(京都市)は京都駅前で観光客や通勤客の利用が多いポルタの西側エリアを一部リニューアルし、衣料品店や服飾雑貨店などを拡充した。ユナイテッドアローズの「ルロウグリーンレーベルリラクシング」など4店舗を新たに出店、既存店も7店舗を改装した。

狙いは通勤で京都駅を利用する働く女性客。これまで男性向け店舗もあったが、女性に特化することで集客力を高める。「20~30代の女性をターゲットに今後も店舗入れ替えをしていく」(京都ステーションセンター)

■神戸・さんちか スポーツに力

JR西や阪急電鉄など6駅に直結する神戸中心部の三宮地下街(さんちか)はスポーツによるにぎわいづくりを進める。今秋のラグビーワールドカップではテレビで試合観戦ができる期間限定ビールバーを開いた。多くの外国人客が利用し、想定を上回る2000杯以上を売り上げた。

2020年の東京五輪や生涯スポーツの世界大会「ワールドマスターズゲームズ2021関西」でも出店を検討する。神戸はサッカーや野球、ラグビーのトップチームがあり、スポーツが盛ん。18年には近隣にサッカーJ1ヴィッセル神戸の応援拠点ができた。

関西は全国でも地下街が多い地域だ。天候に左右されず、ホワイティなら1日40万人が通行する高い集客力が発展を支えてきた。ECの普及といった外部環境の変化で百貨店などの商業施設が業態転換を進める一方、地下街は改革が遅れていた。

シービーアールイー(CBRE)関西支社の橋川剛シニアディレクターは「地下街の転換は人の流れを生み、地域の活性化につながる。地上との競争はそれほど激化しないだろう」と話す。地下街がさらに進化するには地上の商業施設で広がりつつある体験型施設を空間が限られる地下でどう取り入れるかが課題となる。(荒尾智洋、山本紗世、沖永翔也)

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