中国、新エネ車普及25%に 25年目標を引き上げ

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中国・台湾
2019/12/3 23:05
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日本勢も新エネ車重視の戦略を迫られる(11月の広州モーターショーで披露したトヨタ「レクサス」初のEV)

日本勢も新エネ車重視の戦略を迫られる(11月の広州モーターショーで披露したトヨタ「レクサス」初のEV)

【北京=多部田俊輔】中国政府は2025年に、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)など中国の新エネルギー車が新車販売に占める比率を25%と従来目標(20%)から引き上げる。世界最大の新車販売だけでなく、環境対応の強化で米欧をしのぐ「自動車強国」をめざす。PHVの柱となるハイブリッド技術が強みの日本メーカーも新エネ車重視の戦略が求められる。

中国政府で自動車行政を担う工業情報化省が3日、21年から35年までの「新エネルギー車産業発展計画」の素案を公表した。20年前半までに最終決定する見通しだ。

素案では35年に向けて新エネ車の中核技術で世界をリードすることを目標に掲げた。具体的には新エネ車の販売比率を18年の約4%から、25年に25%まで一気に引き上げる。普及を加速させる習近平(シー・ジンピン)指導部の強い意思のあらわれといえる。

起爆剤は滴滴出行(ディディ)などが手がけるライドシェアだ。利用台数はすでに3千万台規模とされる。環境対策に動く地方政府はライドシェアの車両登録を新エネ車に限る規制を導入しており、今後も販売が拡大していくのは確実だ。

中国の新エネ車はEV、PHV、水素を燃料とする燃料電池車(FCV)で構成される。中国政府は中核部品やシステム開発を加速させることで、新エネ車で世界をリードする青写真を描く。

中国政府はかねて新エネ車の普及拡大を打ち出しており、15年から販売台数で世界最大となった。19年は新車販売の約6%を見込むものの、販売補助金を減らした影響で販売の拡大ペースはやや鈍化している。

新エネ車の目標引き上げは中国市場における自動車メーカーの勢力図にも影響を与えそうだ。現状は中国勢が販売シェアで上位を占めるが、米テスラは上海に全額出資の製造子会社を設立して量産を開始した。独フォルクスワーゲン(VW)も新エネ車の販売が前年同期の3倍になった。

新エネ車には日本勢が得意とするハイブリッド車(HV)は含まれない。トヨタなどはHVと共通の技術基盤を持つPHVなどにも力を入れていく方針だ。一定比率の新エネ車の製造・販売を義務付ける規制に対応するだけでなく、中国政府の政策に沿うことで商機拡大が見込める。

トヨタは高級車ブランド「レクサス」で初となる量産型EVを11月の広州モーターショーで披露した。日本勢は主戦場となるPHVやEVで品ぞろえを充実させ、先行する中国勢とのシェア争いに挑む。

今回の素案では25年までに自動運転技術を使った車両の比率を高めることや、特定の場所では人間の操作が不要になる「レベル4」の実用化も盛り込んだ。

中国に限らず、自動車の環境規制は強化が進む。欧州では二酸化炭素(CO2)排出量を2割以上削減することを義務付ける新規制が21年に適用になる。日本は30年度に16年度比3割の燃費改善を求める新たな規制を導入する見通しだ。

米国ではトランプ政権が9月に25年までの燃費規制を緩和し、カリフォルニア州などが独自に設けるエコカー販売の義務を無効にすると発表した。従来規制が厳しすぎるとの自動車業界の要望に応じたものだが、これに反発する加州などは無効を求めてトランプ政権を提訴している。

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