体罰「軽くても禁止」厚労省指針案 長時間の正座など

2019/12/3 17:50
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親の子供への体罰を禁止する改正児童虐待防止法が来春に施行されることを受け、厚生労働省は「どんなに軽い体罰も禁止」とする指針案をまとめた。体罰を「身体に苦痛、不快感を与える罰」と定義し、長時間の正座などを例示した。暴言なども子供の心を傷つける行為と位置づけ、体罰に代わるしつけの普及の必要性も強調。親以外も対象とするなど改正法より幅広く体罰を防止する。

指針案は同省が3日に開いた「体罰等によらない子育ての推進に関する検討会」で示し、了承された。法律で禁止される範囲だけでなく、虐待や人権侵害などにつながる行為も幅広く盛り込んだ。12月中に意見公募(パブリックコメント)を実施、年度内に指針としてとりまとめる。

指針案では、しつけ目的だったとしても「身体に苦痛や不快感を引き起こす行為」を体罰とし、「どんなに軽いものでも法律で禁止される」と規定した。

具体例として、頬をたたくことや長時間の正座、ご飯を与えないことなどを挙げた。危険回避のために手をつかんだり、制止したりすることは体罰に当たらない。

体罰禁止の指針案を議論する厚労省検討会(3日、東京・霞が関)

体罰禁止の指針案を議論する厚労省検討会(3日、東京・霞が関)

来年4月に施行する改正法では「言葉や態度によって戒める行為」は禁止対象外とされたが、検討会委員からは「言葉による暴力も体罰と同列だ」との意見が相次いだ。指針案では「生まれてこなければよかった」などの発言や辱めて笑いものにする言動など子供の心を傷つける行為も心理的虐待として禁止されたり、子供の権利を侵害したりするとした。

法律が体罰を禁止するのは親など親権者が対象だが、指針案は「すべての人について体罰は許されない」とも記載した。

体罰禁止は親を罰したり追い込んだりする意図はないとも強調。体罰せずに子供と接するための工夫として▽子供の気持ちを受け止める▽肯定的、具体的に話す▽良いことは褒める――などを紹介。育児を一人で抱え込まず家族で分担し、社会全体で支えることの重要性も指摘した。

東京都目黒区や千葉県野田市などでしつけと称した虐待死事件が相次いだことを受け、6月に児童虐待防止法と児童福祉法が改正。親権者が必要な範囲で子供を戒めることを認める民法の「懲戒権」のあり方を巡っては、法施行後2年をめどに規定削除などの議論がされる見通し。

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