「飲むコスメ」に勢い 美容分野の注目スタートアップ

CBインサイツ
スタートアップGlobe
コラム(テクノロジー)
2019/12/6 2:00
保存
共有
印刷
その他
ラブウェルネスの製品

ラブウェルネスの製品

CBINSIGHTS
 新興国の消費水準の上昇やSNS(交流サイト)の隆盛などを受けて、世界的に美容ビジネスが拡大している。中でも最近注目を集めているのが、口から摂取して体の内側から美容効果を高める「飲むコスメ(ニュートリコスメティクス)」だ。世界市場の規模は74億ドル相当まで膨らんでいるという。CBインサイツがこの分野の注目スタートアップ4社の動向をまとめた。

美容・パーソナルケア分野ではサプリメントや「内側からキレイになる」製品の人気が高まりつつある。機能的な成分を粉末や錠剤、ドリンクなど様々な形に製品化して、肌の透明感を高め、爪を丈夫にするなど目に見える効果をうたう。

日本経済新聞社は、スタートアップ企業やそれに投資するベンチャーキャピタルなどの動向を調査・分析する米CBインサイツ(ニューヨーク)と業務提携しています。同社の発行するスタートアップ企業やテクノロジーに関するリポートを日本語に翻訳し、日経電子版に週2回掲載しています。

CBインサイツの業界アナリストによると、美と健康は一体的なものであるとの考えが広がっていることを背景に、世界のニュートリコスメティクス(経口摂取型の美容製品)市場の規模は74億ドル相当に上る。

本稿ではCBインサイツのデータを活用し、この分野の注目すべき初期スタートアップ4社を紹介する。各社の動向から読み取れるさらに大きなトレンドにも焦点を当てる。

4社は資金調達履歴、投資家の質に加え、メディアに取り上げられた回数など財務面以外の注目要素に基づいて選んだ。公表ベースの累積資金調達額が多い順に記載している。

1.ラブウェルネス(LOVE WELLNESS)

▽本社:米ニューヨーク州ニューヨーク
▽ステージ:シリーズA
▽累積資金調達額(公表ベース、以下同):400万ドル
▽主な投資家:米PDCブランズ

 米ニューヨークに拠点を置くラブウェルネスは女性の健康に特化し、尿路感染症など体の不調を予防するサプリや、飲む美容サプリを製造・販売している。スキンケアサプリ「グッド・ツー・グロウ(Good to Glow)」にはコラーゲン、ビタミンC、ビタミンE、アシュワガンダ(ナス科の低木常緑樹のインドの薬草)を配合している。新製品「スパークル・ファイバー」は消化機能の向上に加えて「つややかな肌や髪、爪」も手に入るとしている。同社の商品はオンラインで直接販売する「ダイレクト・ツー・コンシューマー(D2C)」だが、米アルタ・ビューティーや米カジュアル衣料・雑貨のアーバン・アウトフィッターなど小売店でも購入できる。

▽トレンドのポイント:美容と健康へのメリットを強調するために、アダプトゲンを配合して普通のサプリからイメージチェンジするスタートアップが現れるだろう。


2. スキンティー(SkinTe)

▽本社:米カリフォルニア州ロサンゼルス
▽ステージ:シード
▽累積資金調達額:300万ドル
▽主な投資家:ダイアン・フォン・ファステンバーグ(ファッションデザイナー)、カーリー・クロス(米国のファッションモデル)、サラ・ブレイクリー(補正下着メーカー創業者)、オネストカンパニー(米国の女優ジェシカ・アルバが手がけるベビー・マタニティー用品ブランド)

 スキンティーは全身の健康を促進し、ストレスを軽減するためにイラクサの根、ツクシ、トケイソウなどのハーブを配合したコラーゲン入りスパークリング(発泡)ティーを生産している。2019年10月には販路を拡大し、商品ラインアップを増やすために300万ドルを調達した。ノンカフェイン商品も開発中だ。商品の4割はD2Cで販売されているが、高級ジムやスパ、ホテルなどでの取り扱いを増やし、もっと多くの消費者に届けたいと考えている。

▽トレンドのポイント:こうしたタイプの商品は専門店、ジム、ウェルネスホテル、スパなどセルフケア・健康に関連した場所で販売されるようになるだろう。


3.トリコ(tricot)

▽本社:東京
▽ステージ:シード
▽累積資金調達額:170万ドル
▽主な投資家:ポーラ・オルビスキャピタル、Xtech(クロステック)ベンチャーズ

 日本のスタートアップ、トリコは個人に応じたサプリを送付する(サービス名は「FUJIMI(フジミ)」)。オンラインの肌診断に基づき、フィッシュオイルやプラセンタ(胎盤エキス)、赤ワイン由来のレズベラトロール(ポリフェノールの一種)など様々なサプリを組み合わせて処方する。
 アジア太平洋地域ではかねてスキンケアが重視されてきた。多くの消費者が何段階にも及ぶスキンケアを実践したり、塗り薬やサプリを併用したりしている。

▽トレンドのポイント:飲むコスメは世界各地で伸びているが、新成分をいち早く採用するアジア太平洋地域は注目だ。この分野の成熟に伴い、肌の微生物の作用などさらにカスタマイズした商品の登場が見込まれる。


4.カルミ(KALUMI)

▽本社:米カリフォルニア州マリナ・デル・レイ
▽ステージ:シード
▽累積資金調達額:非公開
▽主な投資家:非公開

 カルミは髪や肌、爪に栄養を与え、最高の状態をより長く維持できるよう目指すコラーゲン入りプロテインバーを手がける。原料には海洋性コラーゲンが使われている。同社はD2C戦略に力を入れており、顧客の3分の1近くは定額料金を払って定期配送される「サブスクリプション」により商品を受け取っている。同社のプロテインバーはオンライン販売のほか、米国の女優グウィネス・パルトロウが手がけるライフスタイルブランド「グープ」、アーバン・アウトフィッターズ、フリーピープルなどの各店舗、米、オーストラリア、バミューダー、カナダの専門店で手に入る。

▽トレンドのポイント:バー(棒状の食品)やスナック、新しいタイプのドリンクなど差別化された「飲むコスメ」が登場するとみられる。
保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]