中国経済に薄日、製造業PMI改善 持続力には疑問符

中国・台湾
2019/12/3 16:03
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【北京=原田逸策】中国の一部の経済指標に薄日が差してきた。11月の製造業の購買担当者景況感指数(PMI)は政府版と民間版がそろって拡大、縮小の節目となる50を上回った。景気と関連性が高い発電量の伸びも上向き。ただ、景気の弱さを示す指標も多く、持続力には疑問符がつく。

11月のPMIは政府版が前月比0.9ポイント高い50.2と事前予想を上回る改善をみせた。節目の50を上回るのは4月から7カ月ぶりだ。財新とマークイットによる民間版は同0.1ポイント高い51.8となり、4カ月連続で50を上回った。16年12月以来約3年ぶりの高水準だ。

政府版PMIでは生産と新規受注がいずれも大幅に改善した。国家統計局は「クリスマス商戦の受注が貢献した」とみる。国務院発展研究センターの張立群研究員は「景気下支えは下半期に力強さを増し、その効果が表れている」と分析する。

生産動向を映す発電量の伸びも5月に前年同月比0.2%増と3年ぶりの低水準まで落ちこんだ後、9月は同4.7%増まで回復した。10月は同4%増に落ちたが、夏場までの低迷は脱しつつある。11月も発電大手6社の石炭消費量が前年同月比16%増えるなど、生産の回復をうかがわせる指標は少なくない。

ただ、勢いが続くかどうかは微妙だ。政府版PMIは3、4月も50を上回ったが、押し上げたのは減税前の一時的な駆け込み需要で、5月からは再び低迷した。

政府版PMIを詳しくみると、工場の出荷価格の指数は前月よりも悪化した。生産現場のデフレ圧力の高まりを示し、10月の工業企業の利益は前年同月比9.9%も減った。減益幅は2カ月連続の拡大だ。製品在庫の指数も悪化し、企業活動に力強さはない。

消費もさえない。週次で公表される指標をみると、自動車の販売は10月より低迷する可能性がある。11月は主要35都市の不動産販売の伸びも鈍った。電子商取引(EC)の大規模セールで11月の社会消費品小売総額の伸びは10月を上回る可能性があるが、前後の月から需要を寄せただけだ。

工業生産や固定資産投資など11月分の主な経済統計は16日に公表する。PMI回復の勢いが確認できるか注目される。

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