五輪初出場、裏方に日本人 野球イスラエル代表に貢献

中東・アフリカ
2019/12/3 10:30
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野球のイスラエル代表が来年の東京五輪出場を決めた。9月の最終予選で強豪国を次々に撃破し「五輪初出場」の悲願を果たしたチームに、裏方として快進撃を支えた日本人コーチがいる。言葉や文化の違いに戸惑いながらも打撃投手など複数の役割をこなし貢献。母国での五輪に「ベストの状態で挑み、胸を張って戦ってほしい」と願う。

イスラエル中部ペタハティクバのグラウンドで、指導する少年と話す岐部和正さん(右)(11月)=共同

岐部和正さん(62)=大分県出身=は予選でトレーナー、打撃投手、用具運びなどさまざまな役割を担い、選手がプレーに集中できる環境づくりに尽力した。チームはオランダやイタリアといった強豪に勝利を収め、開催国日本以外で第1号となる出場権を獲得した。

大分県の公立高校で約30年間、野球部顧問を務めた岐部さんは2012年4月にイスラエルへ渡った。日本で知り合い、08年に結婚したイスラエル人の妻が、イスラエルでの出産と子育てを希望したことがきっかけだ。

サッカーやバスケットボールが盛んなイスラエルで野球はマイナースポーツだが「野球に関わりたい」との思いから、子どもを指導するようになった。

その縁で知り合ったイスラエル野球連盟の関係者から約1年前、代表チームのコーチ就任を依頼され、快諾した。ヘブライ語、英語はいずれも得意でない。選手やスタッフとの意思疎通のため音声翻訳機を持ち歩くなど苦労もあるが、連盟のピーター・クルツ会長は「彼は野球を知っている。チームへの貢献は大きい」と評価する。

米大リーグやマイナーリーグの元選手が多くを占める代表。メンバー入りを目指す選手の中には、岐部さんが直接指導してきた教え子もいる。

その一人、イスラエル人の父と日本人の母を持つノアム・カリサールさん(21)は日本の野球の独立リーグ、ルートインBCリーグの群馬と福島で練習生としてプレーした経験がある。ポジションは内野手で、日本で開催される五輪に「特別な思いがある。お世話になった人たちに元気なプレーを見せて恩返しがしたい」と意気込む。

東京五輪に出場するのは日本、イスラエルを含め6チーム。イスラエルにとって、チームスポーツの五輪出場は1976年のサッカー以来、44年ぶりとなる。岐部さんは「国際大会では何が起きるか分からない。イスラエル代表にもメダルや優勝のチャンスは十分にある」と語った。(エルサレム=共同)

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