世界初の自動改札機、オムロン主導(古今東西万博考)
1970年・大阪

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関西
2019/12/3 7:00
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世界初の自動改札機が北千里駅で導入された

世界初の自動改札機が北千里駅で導入された

鉄道の切符の情報を瞬時に読み取って、ノンストップで駅の改札を通り抜ける。現代では当たり前になった光景だが、それを可能にした自動改札機が世界で初めて導入されたのが阪急千里線の北千里駅(大阪府吹田市)。1967年の開業と同時だ。

開発を主導したのが、33年に立石一真氏が創業した立石電機(現・オムロン)だ。60年代は食堂の券売機などを販売し、業績が拡大していた。当時は大都市を中心に駅の混雑が社会問題化。切符で入場したことを示す駅員の「切符切り」で人の流れが停滞し、駅の改札で長蛇の列が発生する問題が生じていた。

立石電機は紙幣やカードを認識する磁気・光学技術を応用、電鉄各社と共同で自動改札機の開発にこぎ着けた。特に立石氏の目を引いたのが、70年の大阪万博に向けて開発が進む千里ニュータウン北地区の新駅構想だ。立石氏は「万国博準備委員会」をつくるほど熱心で、阪急電鉄が新駅をもうけるという情報を聞きつけ、息子の義雄氏(現・オムロン名誉会長)を直接派遣し、自動改札の受注につなげた。

オムロンは現在も駅務機器の関連で国内最大手で、世界各国で自動改札機など無人駅システムを導入する。3月、京王電鉄・下北沢駅(東京・世田谷)に対話型人工知能(AI)を搭載した案内ロボット「下北沢レイ」を導入。利用者への乗り換え案内などを自動で担う。

自動改札からAIへ――。北千里駅の開業から、50年以上を経た今もなお、駅の自動化に貢献している。2025年の大阪・関西万博でもひょっとしたら「未来の駅」が見られるかもしれない。

(赤間建哉)

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