米軍の香港寄港を当面禁止、中国外務省
対米報復措置を発表

中国・台湾
2019/12/2 18:17
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【北京=羽田野主】中国外務省の華春瑩報道局長は2日の記者会見で、米国で「香港人権・民主主義法」が成立した報復措置として、米軍の艦船が香港に寄港するのを当面禁止すると発表した。米国の非政府組織(NGO)を制裁対象とする方針も明らかにした。追加措置をちらつかせて米国をけん制した。混乱が続く香港情勢への「米国の関与」を国内に印象づける思惑もありそうだ。

中国外務省の華春瑩報道局長(北京)=共同

華氏は「香港人権・民主主義法は国際法に違反しており、中国への重大な内政干渉だ」と強調した。米軍の艦船や航空機が整備などで香港に立ち寄る際に必要な手続きを停止することにした。「情勢に応じてさらに必要な行動をとる」とも述べた。

香港への艦船などの立ち寄りの可否はそのときの米中関係を表しやすいとされる。

米海軍が南シナ海で哨戒活動を実施していた2016年4月には米国の空母などが香港への入港手続きを拒まれた。チベットや台湾問題を巡り米中の対立が起きていた07年も米空母の入港手続きが拒否された。

対照的に18年11月には米海軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」が香港に寄港した。同年12月の米中首脳会談を控え、中国側に貿易協議を巡る摩擦が高まるのを回避する思惑があったとの見方がある。

当面香港への入港ができなくなっても米海軍の行動に大きな影響がでる可能性は小さい。過去の入港拒否では中国側が発表しなかったケースが多かったが、今回は香港への立ち寄り禁止を内外に宣言したのが特徴だ。米国をけん制する政治的メッセージを出す狙いがあったとみられる。

中国共産党の習近平(シー・ジンピン)指導部は同法の成立後、米国に猛反発していた。香港区議会選で民主派が圧勝した香港情勢に米国が関与していると印象づけ、国内の結束を促す狙いもありそうだ。

一方で、報復措置は「当面の間」とした。華氏は「いつまで香港への立ち寄りを停止するかは米国の実際の行動を見てからだ」と述べた。トランプ米政権は同法を成立させたものの、同法に基づく制裁の発動などには踏み込んでいない。米中貿易協議の先行きも不透明感が漂っている。米国の出方を見極め「交渉材料」にしようとしている可能性がある。

華氏は米国の全米民主主義基金(NED)や米人権団体フリーダムハウス、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチの名前を挙げて「(香港の抗議活動を)さまざまな手段で支持した」と主張。制裁対象にしたと述べたが具体的な内容には踏み込まなかった。

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