楽天モバイル、誤請求相次ぐ 自社回線も格安も

楽天モバイルで契約者への料金請求に関するミスが相次いでいる。自営の携帯回線の試験サービス「無料サポータープログラム」では1日、オプション料金を支払い済みのユーザーに対して、請求メールを誤って送るトラブルが発生。格安スマートフォンの仮想移動体通信事業者(MVNO)サービスでは、9月利用分のオプションの税率を誤って過剰に請求するトラブルが発生した。
無料サポータープログラムでは1日未明に、「引き落としができなかった」「請求書を送るので住所情報の更新を」と記載したメールを一部ユーザーに送った。同日夕方に誤送信をわびるメールも送った。無料サポータープログラムは月額基本料や通話料、追加のデータ通信料などを無料としているが、スマホ交換保証やフィルタリングサービス、電話番号選択サービスなど一部は有料オプションである。

日経 xTECH編集部で無料サポータープログラムを契約する複数の記者のうち、有料オプションの利用者にメールが届いた。メール受信者が同社の会員向けサイトで請求情報を確認すると「支払済」だった。オプション料金の収受に関するプログラムにバグがあった可能性がある。
楽天モバイルは「当社のシステムトラブルによるものだが、発生したばかりの事象なのでいくつかの可能性を踏まえて調査を続けている。現時点で特定できていない」(広報)としている。誤請求の対象人数などは明らかにしていない。
MVNOサービスでは、オプションで提供する格安通話サービス「楽天でんわ10分かけ放題 by 楽天モバイル」について、9月利用分の月額料金について税率を誤った。消費増税前であり、本来は税率8%で請求すべきだったが税率10%で計算して請求した。原因について同社は「人為ミスにより税率の設定を誤った」(同)としている。
楽天モバイルは2つのトラブルについて、対象者に電子メールやツイッターの公式サポートアカウントを使った個別返信などで連絡した。一方でウェブサイトなどでは請求ミスについて開示していない。同社のサービスを検討中の消費者を含め、トラブルの直接の対象者以外は詳細を確認できない状況である。
(日経 xTECH/日経コンピュータ 金子寛人)
[日経 xTECH 2019年12月2日掲載]
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