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野村、グローバル化に再び本腰 新CEOに奥田氏

野村ホールディングスは2日、次期トップに奥田健太郎グループ共同最高執行責任者(COO、56)をあてる人事を決めた。海外経験が豊富な奥田氏の起用で、グローバルで戦える金融機関への体制づくりを進める。ただ永井浩二グループ最高経営責任者(CEO、60)体制の7年超で屋台骨の個人部門の収益力は半減した。海外では企業向け金融サービスや金融商品の開発で稼ぐ方針だが、顧客と強固な関係を築く海外大手の背中は遠い。

「金融ビジネスのプレーヤーが変わっていくなかで、野村の変革のスピードを上げていきたい」。奥田氏は2日の会見でこう述べた。背景には金融への異業種参入や超低金利の定着など同社を取り巻く環境変化に対する危機感がある。

野村HDの「力」の源泉だった個人部門は苦境が鮮明だ。永井氏が就任した13年3月期の同部門利益は1006億円だった。19年3月期は495億円と半減し、今期は4~9月期で約130億円まで減っている。

永井氏は顧客が運用を任せるファンドラップなどの残高増へ号令をかけたが、リテール事業の失速を補えなかった。個人部門が安定的に1000億円前後を稼ぐことが野村の強み。野村にとって常に難題だった海外事業でリスクを取れる「原資」でもあった。

個人部門の苦境は株価にあらわれている。永井氏がグループCEOに就任後、一時3兆円を超えた株式時価総額は足元で2兆円を下回る。

奥田氏は投資銀行部門や米国部門の責任者などを歴任し、国内部門を担当する森田敏夫共同COO(58)と次期CEOの座を争ってきた。奥田氏がCEOに就任するのは、野村として海外や法人部門をより強化していくとのメッセージとなる。

海外・法人部門が個人部門のように安定した高収益を稼げるようになるには課題が多い。08年に破綻した米リーマン・ブラザーズを買収したものの、その後に減損処理を迫られるなど海外事業は苦戦続きだった。奥田氏は2日、海外では高リスク・高リターンの証券売買業務ではなく、相対的にリスクの低い金融商品の開発・販売や企業の資金調達支援などのサービスに軸足を移していく方針を明らかにした。ただこうした事業は地道な積み重ねが必要だ。米金融機関は金融危機から立ち直り、強固な顧客基盤と高度な金融テクノロジーで存在感を示す。

野村HDが4月に発表した店舗閉鎖などの構造改革は「6割程度は進んだ」(奥田氏)。対面証券が直面する顧客の高齢化やデジタル化など構造問題にどう応えていくかが課題になる。

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