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アジア開銀新総裁、中国との関係焦点 浅川氏1月就任

アジア開発銀行(ADB)は2日、日本の内閣官房参与である浅川雅嗣氏を新総裁に選出したと発表した。世界規模の経済圏構想「一帯一路」を掲げ、アジア各地でインフラ開発への影響力を強める中国とどう向き合うかが課題となる。

アジア開発銀行の総裁に就任する浅川雅嗣氏

日本政府だけが候補者を擁立し、加盟68カ国・地域の全会一致で決めた。現在の中尾武彦総裁と交代し、2020年1月17日に就任する。

浅川氏は財務省で事務次官級の財務官を過去最長の約4年務め、各国金融当局の閣僚や幹部と信頼関係を深めた。近年は国際的なデジタル課税の議論を主導。ADBへの出向経験もあり、各国出身者で構成する同行内部では「寛容な人柄で円滑に仕事が進みそうだ」と歓迎する声が上がる。

新総裁に強く推したのは麻生太郎財務相だ。浅川氏は08~09年の麻生政権時代に首相秘書官を務め、リーマン・ショック直後の混乱に対応。12年に麻生氏が財務相に就くと、再び懐刀として国際金融問題に取り組んだ。

ADBはアジアの発展途上国などのインフラ開発に融資する。日米がともに出資比率1位で、1966年の創設時から10代続けての日本人総裁となる。

出資比率で日米に続く3位は中国だ。中国は「一帯一路」を進めると同時に、ADBと融資対象が重なるアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立も主導した。中国の影響力拡大を警戒する日米など先進国と、主要株主の中国との間で難しい調整を迫られる場面が出てくる可能性もある。

17年にはスリランカが中国からの融資の返済に行き詰まり、南部ハンバントタ港の99年間にわたる運営権を中国に譲渡した。同港はインド洋の中央にある地政学上の要衝だ。日米やインドは中国が融資を安全保障上の優位を築く目的で使うことに警戒を強めている。

ADBが中国への融資を続けていることも火種だ。世界2位の経済大国になった中国向けの融資に対しては「ADBに資金面で協力する欧州などから疑問視する声が上がっている」(同行幹部)。

アジアのインフラ建設に必要な資金は膨大で、浅川氏は当面、ADBとAIIBの協調融資を続ける方針とみられる。こうした中国との協調が前面に立つ状況がいつまで続くかは分からない。

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