日産自動車は2日、社長兼最高経営責任者(CEO)に就任した内田誠氏が記者会見を開いた。内田氏は筆頭株主の仏ルノー、三菱自動車とのアライアンスについて「日産にとって重要な競争力だ。アライアンスをさらに強くさせたい」と述べた。具体的なアライアンスの協業策は「時期がきたらご説明する」と述べるにとどめたが、協業強化の方向については、ルノーのジャンドミニク・スナール会長と三菱自動車の益子修会長とも共有していると強調した。
1日に発足した新体制では、ルノー出身のアシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)、関潤副COOによる「三頭体制」で内田新社長を支える。内田氏は記者会見の冒頭、「当社により世間を混乱させたのを厳粛に受け止めている」と話した。そのうえで自らの役割について「前経営陣が1年かけてきずいた信頼の回復と業績の立て直しを形にして実行することだ」と強調した。
内田氏は今後の成長には「アライアンスは欠かせない」と強調し、「当面は各社が抱えている課題をみて、各社の売り上げ、利益に貢献することを進める」と述べた。そのうえで「会社の独立を保持しながら活動を進める」と指摘。ルノーとの経営統合を巡る議論は「ジャンドミニク・スナール会長やクロチルド・デルボス暫定CEOとも全くしてない」と述べた。
日産は元会長カルロス・ゴーン被告の逮捕から1年をかけて世代交代を果たし、経営再建に向けて再スタートを切ることになる。内田氏は再成長に「最も重要なのは新商品だ」と語った。成長戦略に不可欠なのは「計画通りにしっかりと新車開発をすること、魅力的な新車を提供しつづけることだ」と強調した。
また、西川広人前社長体制下で決めた2022年度までの中期経営計画について「中計は置かれた環境を踏まえて、日産としてどう進めるかは策定していく必要がある」と語り、「自動車業界の状況を踏まえて、しかるべきタイミングで説明する」と述べ、中計の見直しを示唆した。