スー・チー氏、ロヒンギャ迫害反論へ 国際司法裁判所

東南アジア
2019/12/2 11:03
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アウン・サン・スー・チー国家顧問(中)は国際司法裁判所の公聴会で自ら弁護団を率いる(22日、ネピドー)

アウン・サン・スー・チー国家顧問(中)は国際司法裁判所の公聴会で自ら弁護団を率いる(22日、ネピドー)

【ヤンゴン=新田裕一】ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問は、イスラム系少数民族ロヒンギャに対する迫害問題で国際司法裁判所(ICJ)に同国が提訴されたことを受け、10日からオランダ・ハーグで開かれる公聴会に出席する。自ら弁護団を率い、国際社会の非難に反論する見通しだ。11月には国際刑事裁判所(ICC)が捜査開始を決定するなど、ミャンマーの国際法上の責任を追及する動きが広がっている。

ICJは国家間の紛争を裁判で解決する国連機関。西アフリカのガンビアが11月11日、イスラム協力機構を代表し、2016年10月以降のロヒンギャ系武装勢力を対象としたとする掃討作戦が「特定集団の抹殺を禁じたジェノサイド条約に違反している」としてミャンマーを提訴した。掃討作戦後、70万人を超すロヒンギャが隣国バングラデシュに逃れた。

提訴を受け、最初の公聴会が12月10日から12日に開かれる。ミャンマー政府は11月23日、スー・チー氏ら閣僚や地方政府幹部を集めた対策会議を首都ネピドーで開催し、スー・チー氏が公聴会で「政府代理人」を務めることを明らかにした。「掃討作戦はテロ組織に対するもので、人権問題は国内の司法制度で解決する」という従来の主張を再確認した。

対策会議にはミン・アウン・フライン国軍最高司令官も出席した。政権と国軍は憲法改正問題などで対立関係にあるが、ロヒンギャ問題では協力関係にある。

だがミャンマーの国際法上の責任を法廷で追及する動きは11月中旬以降、急速に広がっている。在英ロヒンギャ団体は13日、発生地にかかわらず重大犯罪を訴追できる「普遍的管轄権」を認めるアルゼンチンの裁判所にスー・チー氏らを刑事告発した。14日にはICCがロヒンギャ迫害に関する捜査開始を正式決定した。大量虐殺など「人道に対する罪」の刑事責任を問うもので、国軍幹部らが捜査対象となる。

国連人権理事会が迫害の証拠収集・保全を目的に設置した「ミャンマーに関する独立調査メカニズム」も調査団をバングラデシュに派遣し、活動を本格化させた。ミャンマー政府は「国連は責任追及よりも人道問題の解決に資金を使うべきだ」と反発している。

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