避難所の女性配慮に課題 台風被災地、悩み伝えづらく

台風19号
2019/12/2 9:53
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台風19号の被災地では女性が安心して着替えや授乳ができる設備をそろえ、プライバシーに配慮した避難所が出てきた。ただ全体で見れば一部にとどまっており、事態改善に向けて、政府は女性や子どもへの配慮事項をまとめた指針の改定に乗り出した。有識者は「悩みを訴えやすくするよう、避難所運営に女性が関わる取り組みが必要だ」と指摘している。

避難所に設置された段ボール製の更衣室(10月24日、宮城県丸森町)=共同

避難所に設置された段ボール製の更衣室(10月24日、宮城県丸森町)=共同

千曲川の堤防決壊で甚大な浸水被害が出た長野市。10月24日、避難所となっているスポーツ施設の一角に、女性と子ども専用のドーム形テントが三つ並んでいた。着替えや授乳、助産師への相談などに使える。子ども3人を連れた30代女性は「着替えの際、テントだと安心感がある」と喜ぶ。

宮城県丸森町の小学校体育館には、段ボール製のボックス型更衣室が設置された。50代の女性会社員は「内鍵も掛けられるし助かる。数を増やしてほしい」。プライバシーを守るため、居住スペースも世帯ごとに段ボールで仕切られていた。

被災後に快適な生活空間をどうつくり出すかは大きな課題だ。2011年の東日本大震災では、プライバシーが制限される避難所での生活に悩む女性らの声が上がった。

避難所になった福島県本宮市の体育館では10月下旬、会社員女性(44)が「生理で借り物のマットを汚したらどうしよう」と不安げな表情を浮かべていた。同県郡山市で避難生活を送る女性(18)も「支援物資に生理用品がないが、男性スタッフしかおらず言いづらい。届いた下着はサイズが合わなかった」という。

内閣府は16年、授乳室設置や生理用品の確保を求めた「避難所運営ガイドライン」を策定したが、細かいケアや物資の供給まで手が回らないのが現状だ。橋本聖子男女共同参画担当相は今回の被害を受け、避難所での女性や子どもへの配慮事項をまとめた指針を見直すと表明。有識者会議による議論を通じて本年度内の改定を目指す。

見知らぬ人が出入りする避難所の治安に不安を覚え、浸水した自宅にとどまる人もいる。震災で女性支援をした日本女子力推進事業団(東京)の池内ひろ美代表理事は「女性や子どもに防犯ベルを配ることで犯罪予防になる」と提案。「避難所の環境は少しずつ良くなっているが、まだ女性目線が足りない。普段から地域で女性の取りまとめ役を決めるなど、意見をくみ取りやすい体制づくりが重要だ」と話した。〔共同〕

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