ドイツ極右、党首交代 政権獲得へ穏健路線?

ドイツ政局
2019/12/2 2:37
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【ベルリン=石川潤】ドイツの極右政党、ドイツのための選択肢(AfD)は1日まで開いた党大会で、共同党首だったガウラント氏の後任に独東部ザクセン州出身の下院議員、クルパラ氏を選出した。もう1人の共同党首であるモイテン氏は続投する。クルパラ氏は「中道層にアピールするには分別が必要だ」と語り、穏健路線に軸足を置くことを強調した。

AfD躍進の立役者、ガウラント氏が党首から退いた=ロイター

AfD躍進の立役者、ガウラント氏が党首から退いた=ロイター

ガウラント氏は黄色い犬があしらわれた緑のネクタイがトレードマークの名物党首で、ナチス時代の擁護とも受け取れる過激な発言を繰り返してきた。78歳と高齢な同氏が推す意中の後継候補がクルパラ氏だった。

クルパラ氏は発言とは裏腹に、党内の穏健派だけでなく最右翼の組織「フリューゲル(翼)」とも関係が深い。表面上は過激な発言を封じ込めたとしても、実際に党の穏健化が進むかはかなり微妙といえる。

AfDが穏健路線を強調するのは、21年秋に予定される連邦議会(下院)選挙でさらに勢力を伸ばすためには幅広い保守層への浸透が必要なためだ。2019年に実施された旧東独の3つの州議会選挙では躍進を果たしたが、旧西独でどう支持を伸ばすかが同党の課題になっている。

既存政党はいずれもAfDとの連立の可能性を否定している。だが党首を退くガウラント氏は、ドイツの左派勢力が結集して中道右派、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が孤立すれば、いずれAfDとの連立を探らざるを得なくなるとのシナリオを描く。

ドイツではメルケル政権の与党で第2党のドイツ社会民主党(SPD)の党首選挙で連立懐疑派が勝利し、先行きの不透明感が強まっている。既存政党が政局ばかりに明け暮れているとの印象が深まれば、AfDへの追い風にもなりかねない危うさがある。

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