マルタ首相が辞任へ、記者殺害事件巡り

2019/11/30 3:07
保存
共有
印刷
その他

【ジュネーブ=細川倫太郎】地中海の島国マルタのムスカット首相が辞任する見通しとなった。首相の親族の資金隠しなどの疑いを報じた女性ジャーナリストが2017年に殺害され、政権に捜査が及んでいた。政権幹部が関与したとの疑惑から、首相の辞任を求める声が強まっていた。事件は発生から約2年を経て転換点を迎えた。

ムスカット首相には国民から辞任を求める声が強まっていた=ロイター

地元メディアが29日、首相が周辺に辞任する意向を伝えたと報じた。首相が率いる与党労働党は12月1日に予定されているイベントを中止した。

今週に入って警察の事情聴取を受けていたシェンブリ首相首席補佐官、ミッツィ観光相が辞任を表明した。さらにカルドーナ経済・投資・中小企業相も進行中の捜査が終わるまで職務を停止すると発表。3人はいずれも首相の側近で、事件への関与が疑われている。

事件は17年10月に発生した。ジャーナリストのダフネ・カルアナガリチアさんが車を運転中、爆弾が爆発し死亡した。カルアナガリチアさんは調査報道記者として有名で、世界の富裕層の節税実態を暴露した「パナマ文書」の報道に加わった。ムスカット首相の妻らがパナマに会社を置いて資産を隠していたと報じた。事件の前には「脅迫を受けている」と警察に訴えていたとされる。

26日には首都バレッタでは多くの国民が議会を取り囲んで、首相の辞任を訴えた。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]