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公募投信、初の統合 「ゾンビ投信」整理へ転換点

野村アセット、2投信をひとつに

野村アセットマネジメントは29日、運用する2つの公募投資信託を統合すると発表した。異なる投信の統合は2014年の改正投信法施行後初めて。日本では運用額が1億円に満たないなど小規模の投信が乱立する。ファンドマネジャーが思うような運用ができず、投資家の受け取る収益が小さくなるなどの問題点があった。投信統合の実現によって、小規模のまま放置される「ゾンビ投信」を整理する転換点となる見通しだ。

野村アセットは運用する「インデックスファンド・国内債券」と「ターゲットプライス『日経225』(国内債券運用移行型)」の2本を統合し、「インデックスファンド・国内債券」を残す。運用内容は2投信とも同じだった。統合は来年5月に行い、販売会社の野村証券が投資家に通知する。

日本の公募投信は10月末で約6000本(上場投資信託除く)。東京証券取引所の上場企業総数(約3700社)よりも多い。証券会社が販売手数料を稼ぎやすい新商品の販売に力を入れ、系列運用会社などに新しい投信の開発を求めてきたためだ。

また小規模な投信が多いのも特徴だ。1本あたりの資産残高は約110億円と、米国を大幅に下回る。投信調査会社の三菱アセット・ブレインズによると、残高が1000億円を超える投信が116本に対して1億~10億円の投信は1500本近く、1000万円未満も96本ある。

今回野村アセットが統合を決めた「インデックスファンド・国内債券」の残高は45億円、「ターゲットプライス『日経225』(国内債券運用移行型)」は同3100万円しかなかった。

投信の統合は2007年に制度上、可能となった。ただ投資家に対して書面で賛否を問う必要があるなど手続きが煩雑で統合は実現しなかった。この問題を解決するため14年に投信法を改正。保有者への影響が軽微な投信の統合に関しては書面で賛否を問う手続きが不要となった。これまでは投信の販売を担う証券会社が投資家への周知などの手間を敬遠し、消極姿勢だった。

日本では同じ運用会社が類似する投信を運用するケースも多い。投資家にとっては違いがわかりにくく、ファンドマネジャーの運用効率も低下しやすい。運用報告書の作成などの事務コストも膨らみ、結果として投信のコストが高止まりする一因となってきた。

野村アセットの今回の統合をきっかけに同様の動きが広がりそうだ。三井住友DSアセットマネジメントは「投信を洗い出し、統合が可能かどうか分析をしている」とする。

ただ資産規模が大きい投信は販売証券会社が複数存在し、投資家も多数にのぼるため統合に向けた調整は容易ではない。また証券会社や運用会社のITシステムも統合に対応できないケースが多く、手作業での投信基準価格の計算や投資家への通知が必要となる。

野村アセットは業界団体の投資信託協会などを通じて今回の統合で判明した課題を共有。改善に向けて提言していく方針だ。

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