【ソウル=恩地洋介】日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄などに抗議するためハンガーストライキを続けていた韓国保守系野党、自由韓国党の黄教安(ファン・ギョアン)代表は29日、断食を終えると表明した。8日目の27日夜に意識を失い、病院に搬送されていた。
黄氏は20日から、日中は大統領府近くの広場で座り込み、夜間は国会内にテントを張って断食していた。22日にGSOMIAの失効回避が決まった後も、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が推進する検察改革の柱である「高官不正捜査庁」の設置法案や選挙制度改革法案の採決に抗議し、ハンストを続けていた。
韓国では政治的主張を訴えるための断食は珍しくない。過去の軍事政権下で野党を率いていた金泳三元大統領や金大中元大統領も民主化を訴えてハンストを続けたことがある。ただ、62歳の黄氏が厳しい寒さの中で断食を強行することには支持層にも冷めた意見が少なくなかった。