村上春樹と国際文学めぐり早大でシンポ

文化往来
2019/12/3 2:00
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作家の村上春樹氏が寄贈した直筆原稿や関係資料、書簡などが閲覧できる早稲田大学国際文学館(通称「村上春樹ライブラリー」)の建物が2021年4月にオープンする。それを記念するシンポジウム「村上春樹と国際文学」が11月28日、同大学国際会議場で開かれた。第1部では村上原作、蜷川幸雄演出の舞台「海辺のカフカ」の「猫」が登場する場面を特別上演。終了後には俳優の木場勝己氏が「パリ公演のときにお話をされた村上さんが『僕は物語を作る』と語ったのが印象的だった」と話した。

「村上春樹と『翻訳』」をテーマに議論するパネリスト=早稲田大学提供

「村上春樹と『翻訳』」をテーマに議論するパネリスト=早稲田大学提供

第2部では「村上春樹と『翻訳』」をテーマにパネル討論。翻訳家で東京大学名誉教授の柴田元幸氏の司会で、作家の川上未映子、日本文学の翻訳も手がけるカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)教授のマイケル・エメリック、作家、翻訳家で早稲田大学准教授の辛島デイヴィッドという3氏が議論した。

「村上さんが次世代の作家に与えた影響としては、作家としてのあり方と文章技術がある」と語ったのは川上氏。「(作家として)こんなふうに生きていいんだと感じさせてくれたが、それは村上さんだからできたのかもしれない。優れた文章技術は追いかけるのは大変だが、とても勉強になる」。辛島氏は「日本独自の出版スタイルが海外での翻訳出版を難しくしていた面はあったが、村上さんの成功などで少しずつ変わってきている」と述べた。エメリック氏は会場からの質問に答え「世界文学の定義がどうであろうと、村上さんは世界文学」と断言した。

(中野稔)

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