瀬戸内の島巡るクルーズ JTB、海外富裕層向けツアー

2019/11/29 2:00
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高級クルーズ船で優雅な島旅を提供する

高級クルーズ船で優雅な島旅を提供する

過去最多の来場者数を記録した瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)2019の勢いを持続しようと、新たな観光事業が始まる。JTBは28日、旅行会社からの依頼を受けてチャーター船やホテルなどを一括で手配する新サービスを始めた。点在する地域資源を結び、香川県を中心とした島巡りを後押しする。3年に一度の瀬戸芸の狭間にあたる「1000日間」の誘客という地域課題に挑む。

JTB高松支店が「瀬戸内アイランド・コンシェルジュ・サービス」の事務局を務め、交通・宿泊・飲食などの地域の事業者をつなぐ。高級クルーズ船を運航する瀬戸内アイランドクルーズ(高松市)などが参画。瀬戸芸を支えるボランティアグループとして発足したNPO法人・瀬戸内こえびネットワーク(同市)が島を案内する。

チャーター船は、ベッドやキッチンを備えた高級クルーザーや、団体旅行向けの遊覧船などを用意する。1グループあたりの利用料は1日当たり15万~20万円が中心になるとみる。島巡りの出発地は主に高松港(同市)、宇野港(岡山県玉野市)となるが、香川県内の他の港も可能だ。

瀬戸芸の開催中は臨時航路の開設や臨時便の運航で島巡りがしやすくなる。定期航路は本州・四国の港と島を結ぶ生活航路が中心で、島から島への移動が難しい。移動の自由度が高まるチャーター船を活用することで、新たな観光ルートを開発する。

また、瀬戸内に点在する魅力的な地域資源をつなぎ、手配から支払いまで一括で請け負うことで、国内外の旅行会社に商品開発を促す狙いもある。海外の富裕層向けには小豆島での水上飛行機の体験や、JR四国の観光列車「四国まんなか千年ものがたり」(多度津―大歩危駅間)などを組み合わせたラグジュアリーな旅を提案する。

今年の瀬戸芸は欧米メディアが相次ぎ19年の行くべき場所として「SETOUCHI」を取り上げたこともあり、来場者数は過去最多の117万人を記録した。アンケート調査では春、夏ともに海外からの来場者数が2割を超え、インバウンド(訪日外国人)の獲得で重要な役割を果たす。

瀬戸内国際芸術祭の会期外も島々を楽しんでもらう(香川県・直島)

瀬戸内国際芸術祭の会期外も島々を楽しんでもらう(香川県・直島)

瀬戸芸の作品には、直島にある草間弥生さんの「赤かぼちゃ」など会期外も鑑賞できるアート作品がある。オリーブ産業が集積する小豆島など現代アート以外の魅力も瀬戸内の島にはある。

JTB高松支店の野浪健支店長は「次の瀬戸芸までの継続的な誘客に向けて、瀬戸内の魅力を発信していく」と意気込む。19年度は100~150人の観光客の利用が目標で、20年度は一般客がインターネット上で申し込める販売システムの構築を進める。国内外の商談会に参加するなど知名度を上げ、瀬戸内の交流人口の拡大を目指す。(辻征弥)

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