IT授業・保育士手助け…新興12社の企業価値1600億円
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2019/12/2 0:00
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ライフイズテックのプログラミングキャンプ。起業家の卵も生まれる

ライフイズテックのプログラミングキャンプ。起業家の卵も生まれる

大企業の手が行き届かない時代の課題を解決する――。そんなスタートアップ企業が存在感を増している。日本経済新聞社の「NEXTユニコーン調査」では、デジタル技術が進歩して需要が高まる10代の人材育成など、独自の技術・アイデアを持つ12社が並んだ。合計の企業価値は1600億円を超す。今後は投資マネーが細る可能性があり、事業モデルを磨く必要が強まる。

調査した12社がターゲットとするのは、ニーズがあるにもかかわらず、リスクを取れない大企業がビジネスにできていない領域だ。高齢者が増え需要が見込まれるのはトリプル・ダブリュー・ジャパン(東京・千代田)の排尿予測機。体に取り付けると、排尿のタイミングを知らせる。尿漏れに悩む人は1000万人近くおり、2017年に介護施設や病院で使うことを想定して発売した。今では家電量販店のビックカメラコジマでも扱う。

ビジネスの対象は海外にも広がる。新興国で金融サービスが行き届いていない人に小口融資するのは五常・アンド・カンパニー(同・渋谷)。インドやカンボジアなどで200億円以上融資した。生活費などに充てる例が多い。

収益を得ながら社会の課題解決に貢献する企業への投資「社会的インパクト投資」は世界で50兆円規模に育った。国内でも新生企業投資や第一生命保険、グロービスなどが投資を始めている。

課題解決型のスタートアップが増えてきたが、膨らんだ投資マネーに支えられていた面もある。マネーが縮小する局面になっても生き残り、成長もできる事業モデルを築くことが多くの新興勢の課題となっている。

ライフイズテックの水野雄介CEO

ライフイズテックの水野雄介CEO

ライフイズテック、中高生にIT学習の機会

ライフイズテック(東京・港)は2011年から中学生、高校生にIT(情報技術)やプログラミングを教えるキャンプ・スクール事業を始めた。参加人数は延べ約4万人となった。社会の変化に負けず、ITを使いこなす教育の需要はますます高まるとみている。

キャンプは学校の長期休暇の間に4~8日間開く。料金は日数などで異なり、通いで4日間参加する場合、約6万円。

全国の学校にオンライン教材を提供し、教員用のプログラミング講座も展開している。20年から小学校でプログラミング教育が必修化されるため、引き合いが強い。

水野雄介最高経営責任者(CEO)が10年に設立した。大学院時代の高校講師の経験がきっかけだ。「学校で学べない最先端のITを学ぶ場をつくり、可能性を伸ばしたい」

米国とシンガポールの子会社を中心にプログラミング教材の海外展開も進めている。北米とアジア、アフリカへと事業を広げる計画だ。

ユニファの土岐泰之CEO

ユニファの土岐泰之CEO

ユニファ、IoTで保育士サポート

ユニファ(名古屋市)はあらゆるモノがネットにつながる「IoT」技術で保育や子育てを支援している。保育士は書類の処理などに追われ、子供と向き合う時間が足りていないという。離職を招いているといわれ、土岐泰之最高経営責任者(CEO)は「本来の仕事に専念できるようサポートする」と話す。

保育園に提供する機器「ルクミー午睡チェック」は園児の衣服にセンサーを付け、寝ているときの体の向きを検知する。通常は保育士が5分おきに手書きで記す。

保育士が測った園児の体温がすぐにアプリと連動し、体温データの記録や共有がしやすくなる体温計も提供。35万人の乳幼児がこうした機器・サービスを使い、2019年12月期の売上高は10億円を超える見込みだ。

9月、保護者と保育園をつなぐアプリの企業を買収した。IoTや人工知能(AI)で一層効率化する「スマート保育園」の実現を目指す。

(佐藤史佳、鈴木健二朗)

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