埼玉高速鉄道、AIで車内の映像広告効果的に

2019/11/27 19:10
保存
共有
印刷
その他

埼玉高速鉄道は天候や乗客の特性などに応じて異なる広告を放映するシステムを鉄道車両に導入する。新たなデジタルサイネージとシステムを全10編成に搭載し、NTTドコモなど3社と連携し、2020年4月から運用を始める。車両内外の環境に合わせて効果的な広告を流し、伸び悩む広告収入の増加を目指すほか、沿線地域活性化につなげることも狙う。

IoT機器とカメラを搭載したデジタルサイネージ

新たに搭載するデジタルサイネージ「ダイナミックビークルスクリーン」は、カメラとIoT機器を装備。車両の温度や湿度、乗客の性別、年代などを人工知能(AI)で解析して効果的な広告を自動的に流す。気温が低い日にはホットコーヒー、会社帰りの会社員が多い車両ではビールなどの広告を流し訴求力を高める。駅近くに映画館があるエリアを走る際には、空席がある映画の上映情報なども流し、沿線施設への誘客も試みる。

ドコモのLTE回線を使い、ゲリラ豪雨や災害の発生といった車両外の情報もリアルタイムで取得。ほとんど地下を走る埼玉高速鉄道は乗客が天候変化などを感じることができないため、きめ細かな表示で利便性の向上を図る。

一方、広告販売面では乗客の視線の動きを基に算出した「視聴率」の概念を取り入れる。新システムでは広告を放映した時間数だけでなく、広告主と契約した視認数を達成するまで放映する「インプレッション販売」を一部で導入する。運営はNTTドコモと電通が設立した屋外広告会社「LIVE BOARD」が担う。

20年3月末までに10編成60両のドアの上部、あわせて240カ所に設置する。事業費は約3.3億円。埼玉高速鉄道が車両搭載にかかる費用、約1億4600万円を負担し、のこりを開発者のビズライト・テクノロジーが負担する。

埼玉高速鉄道では、ネットなど媒体の多様化もあり広告収入が伸び悩んでいる。駅広告なども含めた18年度の広告料収入は1億1700万円。07年度の1億5300万円をピークに減少傾向にある。新システムの導入で発信力を高め、収入を伸ばすことを狙う。

ビズライト・テクノロジーの田中博見社長は「電車が走る地域、車両によって広告を見る人の特性も変わる。新システムの活用で、交通広告の価値を高めたい」と話す。埼玉高速鉄道の荻野洋社長は「機器の刷新を契機に広告の付加価値を高め、沿線の活性化につなげたい」と意気込んでいる。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]