鉄鋼、減産局面か 10月の世界粗鋼生産2.8%減 中国もマイナス

2019/11/27 17:07
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世界鉄鋼協会が27日までにまとめた世界64カ国・地域の10月の粗鋼生産量(速報値)は、前年同月比2.8%減の1億5149万トンと2カ月連続のマイナスとなった。米中貿易摩擦の長期化による需要減や市況悪化で主要国が生産を抑制。最大の生産国である中国も3年半ぶりに前年同月比で減った。中国の動向次第では世界的な減産局面に入る可能性が出てきた。

10月は中国やインドをはじめ、日米欧など主要国も軒並みマイナスとなった。世界的な景気の減速で自動車や産業機械など鉄鋼の主要顧客である製造業向けの需要減が鮮明となった。アジアを中心に下落が続いた鋼材価格は足元では底打ちの兆しがあるが、鉄鋼各社からの鋼材輸出は採算割れが続いているとみられる。こうした中でメーカーは減産や設備休止を急いでいるもようだ。

中国の生産量は0.6%減の8152万トン。生産量は依然高水準だが前年同月を下回った。政府による生産制限のほか「採算の悪い輸出用の生産を減らしたことも背景」(SMBC日興証券の山口敦シニアアナリスト)とみられる。10月の中国からの鋼材輸出は前年同月比13%減った。

中国では鉄鋼メーカーの業績悪化も鮮明だ。中国政府は業界再編による能力削減が必要との姿勢も強めているようだ。最大手の宝武鋼鉄集団傘下の宝山鋼鉄はこのほど、中国6位の首鋼集団への出資を決めた。

中国は16年以降、国際社会の圧力を受けて生産能力の削減を進めた。しかし、19年に入り政府の景気刺激策の支えもあって再び増産にかじをきり、過去最高ペースの生産が続いてきた。沿岸部では従来より生産能力を高めた設備の建設もなお進んでいる。稼働時期は19年~20年に集中しているため、日本鉄鋼連盟の北野嘉久会長は「減産が続くかは注視するしかない」と指摘する。

(川上梓、上海=松田直樹)

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