新潟・長岡市でIT使い交通利便性向上 配車や相乗り実験

2019/11/27 2:00
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新潟県長岡市でIT(情報技術)を活用し、交通の利便性を高めるための実証実験が相次いでいる。スマートフォンのアプリを使い、タクシーに相乗りする人を探したり、自家用車で高齢者らを診療所などに送迎したりするサービスだ。人口減に伴い廃止・減便された路線バスを補う形で、住民の新たな移動手段を確保しようとする試みだ。

アジットの社員(中)が山古志地区の住民にアプリの使い方を説明した(11月20日)

アジットの社員(中)が山古志地区の住民にアプリの使い方を説明した(11月20日)

配車サービスのAzit(アジット、東京・渋谷)はNPO法人、中越防災フロンティア(長岡市)と連携し、山あいの山古志地域で自家用車を使った高齢者の送迎サービスを始めた。期間は12月20日まで。利用範囲を地域内に限り、普及の課題を探る。

アジットは2015年10月から車に乗りたい人と乗せたい人を引き合わせる「CREW(クルー)」というサービスを提供している。アプリで利用者が出発地と目的地を指定すれば、事前審査を受けて登録した70歳未満の運転手が自家用車で迎えにくる。送迎後には乗った人と運転した人がアプリを通じ互いを評価する。東京都23区の一部地域で既に実施している。

クルーのポイントは決済が任意の謝礼という形で行われる点だ。国内では自家用車で客を有償で送迎することは「白タク」と呼ばれ、認められていない。クルーはガソリン代の実費とアジットへの手数料、運転手への任意の謝礼を支払う仕組みにしている。謝礼は0円から1万円までの範囲で客が自由に選べる。

山古志地域では04年の中越地震の影響で路線バスが運休し、07年には廃止が決まった。このため、高齢者らの移動手段確保が課題になっている。ただ、このアプリ利用にはスマホやクレジットカードの登録が必要だ。ともに契約していない高齢者も多く、普及へのハードルは低くない。

タクシーの相乗りサービスの実証実験は今夏、長岡駅を中心にした地域で始まった。首都圏で同サービスを展開するNearMe(ニアミー、東京・千代田)が長岡市ハイヤー協会、長岡市と共同で実施。地方都市では初めての試み。7月1日から8月31日まで、10月1日から11月30日までの2回に分けて行っている。

このサービスはアプリ上で同じ方向に行きたい人を探し、相乗りのメリットがある人を組み合わせる。利用者は自動で算出したルートと金額を確認し、互いにメッセージ機能などを使い合流。タクシーは自分たちで手配する。先に降りる人はアプリ上で自分の運賃を後で降りる人に支払い、最後に降りる人がタクシーに全額を払う仕組みだ。

ニアミーの高原幸一郎社長は「まだ具体的なデータを公表できる段階ではないが、ニーズを確認するうえで必要なデータは得られた」と語る。

アプリの利用は午後8時から深夜にかけての時間帯が多い。首都圏と違い、日中にも一定数の利用があるのが地方都市ならではの傾向と分析する。「利用者を今後どう増やしていくか。次のステップを検討していきたい」と強調する。

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