インターステラ、年内にもロケット5号機を打ち上げへ

2019/11/26 15:10
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インターステラテクノロジズの5号機打ち上げの記者会見(左から4番目が稲川社長)

インターステラテクノロジズの5号機打ち上げの記者会見(左から4番目が稲川社長)

ロケット開発スタートアップのインターステラテクノロジズ(IST、北海道大樹町)は26日、小型観測ロケット「MOMO(モモ)」5号機を年内にも打ち上げると発表した。5月に発射した3号機以来となる高度100キロメートルの宇宙到達を目指す。今後の打ち上げ頻度をより高めていく狙いを込めて、初めて冬の発射に挑む。

ISTが手がけるのは全長約10メートル、直径50センチメートル、重さ約1トンの液体燃料ロケット。5月に打ち上げたモモ3号機は国内企業が単独開発したロケットで初めて到達高度が100キロを超えた。一方で、7月の4号機は打ち上げに失敗している。発射から約1分後にエンジンが停止し、機体は高度13キロから海上に落下した。

4号機の失敗について同社は「機体に搭載したVHFという無線の受信機が故障し、エンジンが自動停止した」と分析している。静電気や雷、機体内部の振動による接続不良が受信機の故障の原因とみられるという。5号機ではこれらの状況への対策を施す。

5号機も大樹町の発射場から打ち上げる。打ち上げ日程は今冬を予定しているが、現時点では詳細は未定。後日に発表する。モモはこれまで5月から7月にかけて打ち上げており、冬季の発射は初めてとなる。これにより電子機器の動作環境が厳しくなるなど難易度は上がるため、ISTは部品ごとに低温下での試験などを進めている。

同日に都内で開いた記者会見では振動装置大手のIMVなど、企業や大学など8スポンサーを発表した。IMVはISTの振動試験も支援している。平和酒造(和歌山県海南市)は蒸留してアルコール度数を高めた日本酒を燃料のエタノールに少量混ぜる。

洋菓子製造の瓢月堂(大阪府八尾市)はスイーツ「たこパティエ」をロケットが噴出する炎で焼き上げる実験をするなど、エンターテインメント要素を取り入れる。今回は初めて、協賛した個人の電子工作物もロケットに搭載して宇宙に届ける。

ISTの稲川貴大社長は「モモは量産の段階に入っている。圧倒的に安い価格で、打ち上げ数も桁違いに増やしたい」と話した。同社は衛星を搭載できるロケットの開発に向け、丸紅などから資金を調達している。まずは小型のモモを20年に5機前後打ち上げる考えだ。その将来像に向け、4号機の失敗で得た教訓も生かして宇宙に到達できるかが問われる。

(山田遼太郎)

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