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東京五輪へ大技磨く 板飛び込み・三上紗也可(下)

Tokyo2020
2019/11/30 3:00
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2015年日本代表入り、19年世界選手権6位――。三上紗也可のコーチである安田千万樹の手元には、9年前の就任直後に作った1枚の指導計画表が今も残る。階段状の表は24年パリ五輪までの15年間にも及び、各年の目標を具体的に記した。「脚の筋力がすごくて暴れ馬みたいな飛び込み。もしかしたらすごい選手になるかもしれないと感じた」。作成したときの思いを安田はこう明かす。

学校で配られた体験教室のチラシをきっかけに興味を持ち、小学2年で飛び込みの世界に入った三上は、早くから才能を開花させた。安田の指導を受けてまだ間もない11年春、ジュニアオリンピックで2位に。その後も中学2年で日本選手権の高飛び込みで4位に入るなど、計画表に近い形で順調に歩を進めているかのように思われた。

早くから才能を開花させた三上。ケガをしても情熱は衰えず、たくましさを増してきた

早くから才能を開花させた三上。ケガをしても情熱は衰えず、たくましさを増してきた

その裏ではケガとの壮絶な戦いの日々があった。「不器用ゆえにとにかく身のこなしが悪い。ランニング中に木の根につまずいて鎖骨を折るなど(日常の)一瞬一瞬がドキドキハラハラだった」と安田。左肘の靱帯損傷に2度の腰椎分離症と、負傷による長期離脱は数知れない。高校3年の夏には練習中に飛び板に頭を打ち、脳振盪(しんとう)の影響で一時的に記憶障害に陥る危機も経験した。

「これ以上無理をさせると彼女の人生をダメにするかもしれない」。指導者として苦悩する安田をよそに、三上の真っすぐな飛び込みへの情熱は変わらず、むしろケガのたびにたくましさが増していった。

「ケガをしたからダメになったわけじゃないし、前に進んでいる感覚があった。何より五輪でメダルを取りたかった」と三上。今年3月には韓国での合宿中に全治3週間の足の捻挫を負ったが、1カ月後には日本室内選手権で世界選手権代表の座をもぎとった。

7月の世界選手権では5位入賞するも、上位3人に40点以上の大差をつけられた。だが、その差を一気に縮められる大技「前宙返り2回半2回ひねりえび型(5154B)」を数年前から温めている。「失敗したときのレベルが高くなってきた。確率は上がっているのかな」。実戦練習を繰り返しながら8カ月後の本番へ爪を研いでいる。

安田の計画表では20年は「五輪6位」。だが、当時は東京開催というアドバンテージは考慮されていない。「メダルを取る姿は想像している。5154Bも使って自分史上最高の演技をしたい」。成長曲線を大きくはみ出すように、来夏は思い切り飛ぶつもりだ。=敬称略

(堀部遥)

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