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競泳・萩野、反転攻勢へ 「一日一日が勝負」

Tokyo2020
2019/11/25 20:42
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モチベーション低下による休養を経て8月に実戦復帰した競泳男子の萩野公介(25、ブリヂストン)が、目標に掲げる五輪2大会連続金メダルへ、ようやく戦いのスタートラインに立った。11月上旬に200メートル個人メドレーで日本代表候補入りの基準となる記録を突破。ピーク時の状態にはまだまだ遠いが、来年4月の東京五輪代表選考会を見据えて一歩ずつ階段を上っている。

11月の東京都オープン400メートル個人メドレーで準優勝し、東京五輪代表選考会に向けてスタートラインに立った萩野=共同

11月の東京都オープン400メートル個人メドレーで準優勝し、東京五輪代表選考会に向けてスタートラインに立った萩野=共同

「自分の中で節目のひとつになると思う」。11月10日、日本社会人選手権の200メートル個人メドレーで久しぶりに表彰台の中央に立った萩野の表情は明るかった。予選で1分58秒73をマーク。復帰5戦目で日本代表候補による合宿参加や国立スポーツ科学センター(JISS)での練習が許可される基準記録(1分59秒23)を突破し、「ちゃんと力を出し切れた。地力はついて(戻ってきて)いる」とかみしめた。

約3カ月の休養を経て、練習を本格的に再開したのが6月。8月には実戦復帰したが、ここまで来るには時間がかかった。「1回のレースで力を出し切れない。ちゃんと実力をタイムとして表すという、一番大事なところが欠けていた」

練習では好調を自覚していても、試合で思うように暴れられない。バタフライのキックが詰まり、終盤に失速するなど泳ぎは硬かった。9月の茨城国体では自己ベストより4秒以上遅い1分59秒76で2位。強化計画の変更を余儀なくされ、予定していた秋の高地トレーニングも見送った。

半年足らずとはいえ、常に戦いに身を置いてきた者にとって「試合勘」は見過ごせない。日本代表の平井伯昌監督は「小さい時からのキャリアが一度途切れたような感じ。(スタート台で)全身が燃えて汗が噴き出すほど集中しているかというと、どこか冷めている」と指摘。10月中旬からは1~2週間に1度のペースでレースに出場し、試合での集中力を徐々に取り戻してきた。

今後は合宿などでトップ選手と一緒に泳ぐ機会も増える。来年4月の日本選手権へ着実に歩を進めているが、五輪金メダルへの勝算となるとまだ見えない。24日まで行われた東京都オープンでは、長年のライバルである瀬戸大也(ANA)に400メートル個人メドレーで6秒82、200メートル個人メドレーで3秒37もの大差をつけられた。今夏の世界選手権で両種目を制した瀬戸との差は、そのまま五輪金までの距離と言い換えてもいいだろう。

ライバルでもある瀬戸大也(右)の充実ぶりとはまだまだ差があるのも事実だ=共同

ライバルでもある瀬戸大也(右)の充実ぶりとはまだまだ差があるのも事実だ=共同

「これは3年間の練習の差。水泳に取り組む姿勢、やってきたことが出ている。(東京五輪まで)相当な自覚と覚悟が必要」。恩師の平井監督の言葉はどこまでも厳しいが、それで萎えるくらいなら萩野もプールに戻ってこなかったはずだ。

現状を受け止めたうえで萩野は言う。「やっとレースが自分の一部になってきた。まだまだ実力は足りないが、一日一日勝負していきたい」。この冬も練習拠点とする母校の東洋大で泳ぎ込みながら、往時の自分を追いかける。怪物復活へ無駄にできる時間はない。

(堀部遥)

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