経済政策で対立軸鮮明 英与野党、政権公約出そろう
保守「所得税率5年据え置き」労働「鉄道再国有化」

英EU離脱
2019/11/25 19:09
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【ロンドン=中島裕介】12月12日の英総選挙に向けた二大政党のマニフェスト(政権公約)が24日出そろった。ジョンソン首相率いる保守党は所得税率の据え置きや職業訓練への投資など経済界が求める政策を提示。富裕層への増税など左派的な公約を掲げる野党・労働党との対立軸が鮮明になった。欧州連合(EU)からの離脱問題では実現時の移行期間を巡り、20年末以降には「延長しない」と明記。党内の意見集約に手間取る労働党との違いをアピールした。

英国のジョンソン首相=AP

保守党が公約の目玉と位置づけるのは、人員不足やサービス低下といった課題を抱え国民の関心の高い国民医療制度(NHS)の拡充だ。5年間で5万人の看護師増員や大規模な支出増を盛り込んだ。労働者の職業訓練の充実に向けた30億ポンド(約4200億円)規模の基金の創設も訴えた。

税制では所得税、付加価値税(VAT)の税率と社会保険の料率を今後5年間は引き上げないと明記した。医療の問題にも目配りする中道的な「親ビジネス」の立場をアピールし、企業経営者や中高所得者層の票を取り込む狙いだ。

一方、保守党に先立ち21日に発表した労働党の政権公約は、富の再分配を重視するコービン党首の左派色が色濃く反映された。大学の授業料無料化や全国民へのブロードバンド網の提供、65歳以上の介護無料化など年830億ポンドの歳出増を伴う政策を並べた。

この財源を確保するために、現在19%の法人税率を26%まで引き上げ、年収8万ポンド以上の高所得者の所得税率も上げるとした。鉄道や水道、郵便の国有化も盛りこんでおり、実現すれば同党が過去に掲げていた社会主義路線に英国を大転換させることになる。

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