「思いやりと寛大さ」説く 教皇、東京ドームでミサ

2019/11/25 18:56
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ミサの会場へと入るローマ教皇フランシスコ(25日、東京都文京区の東京ドーム)=藤井凱撮影

ミサの会場へと入るローマ教皇フランシスコ(25日、東京都文京区の東京ドーム)=藤井凱撮影

「多くの人が不安を感じている」。来日中のローマ教皇(法王)フランシスコは25日、東京ドーム(東京・文京)で開かれたミサで、日本社会について「社会的孤立や過剰な競争意識に悩む人が少なくない」とした上で、思いやりや寛大さの大切さを改めて説いた。集まった約5万人の信徒らは、その教えに深く聞き入った。

教皇は午後3時40分ごろ、日の丸とバチカンの小旗がはためく東京ドームのグラウンドで、大きな歓声に迎えられて姿を見せた。壇上に向かう車から手を振り、子供を抱きかかえて出席者と触れ合った。

教皇はスピーチで「日本は経済的に高度に発展した社会だが、社会的に孤立している人が決して少なくない」と指摘。「不安と競争心という悪循環に陥るとき、子としての自由が弱まる」とも述べた。その上で、思いやりや寛大さ、素直な傾聴などの大切さを説き、異なる宗教との協力と対話を呼び掛けた。

妻と母親と訪れた神奈川県茅ケ崎市の会社経営、尾崎敏也さんは「長く信仰してきた80代の母にとっても貴重な機会となり、本当によかった」と笑顔を見せた。日ごろから、教皇が写真共有アプリ「インスタグラム」に投稿した祈りをささげる姿などの写真をチェックしているという。尾崎さんは「性別や国籍などの多様性の尊重が叫ばれる中、それぞれの価値観を重んじる社会になっていけば」と願った。

東京都世田谷区から来た広井幸子さん(81)は、教皇が24日に被爆地で述べた「戦争はいらない」とのメッセージが胸に響いたという。

自身は太平洋戦争中に東京を離れ、父親の実家があった島根県に疎開した。家族が離ればなれになるなど、つらい記憶ばかりが残る。広井さんは「日本から平和の尊さを世界に発信してくださった。緊張感が高まる世界情勢が、安定に向かうように思いを一つにしたい」と訴えた。

横浜市中区のフィリピン国籍、金ローレライさん(58)は「平和はもちろん、人を思いやる大切さなど学ぶべきお言葉がたくさんあった」と振り返った。約30年前に仕事で来日して結婚。言葉の壁を感じる場面はあるが「来年は東京で五輪が開かれる。文化の違いがあっても、互いを理解し合える社会になっていくと信じている」と話した。

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