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米民主、中道・リベラル派の対立先鋭化 20年大統領選

【ワシントン=永沢毅】2020年米大統領選に向けた野党・民主党の候補指名争いで、元ニューヨーク市長で中道派のマイケル・ブルームバーグ氏(77)が24日、出馬を表明した。20年2月の予備選開始まで約2カ月に迫った時期での異例の参戦は、党内で存在感を増すリベラル派への危機感が背景にある。トランプ大統領に対抗できる候補を巡る路線対立が一段と激しさを増してきた。

「私には指導者の能力と経験がある」。ブルームバーグ氏は24日の声明で、一代で巨万の富を築いた経営者やニューヨーク市長としての実績を掲げ、大統領としての適性を訴えた。各種世論調査の平均で支持率は7位。バイデン前副大統領らトップ集団には及ばないが、候補者18人のうちでは上位に食い込んだ。

最大の強みは豊富な資金力だ。選挙戦は自己資金で賄って寄付は募らないとし、25日から約1週間放映するテレビ広告費に3千万ドル(約32億円)以上を投じる。米紙ニューヨーク・タイムズによると、同じ期間にその他すべての候補が予定するテレビ広告費の合計額を上回る。

ブルームバーグ氏は支持拡大が見込めないとして、3月にいったん出馬を見送っていた。ここにきて翻意したのは同じ中道派であるバイデン氏の支持がウクライナ疑惑などで伸び悩み、リベラル派のウォーレン、サンダース両上院議員が勢いを保っているためだ。「民主党に新たな選択肢を示す」。ブルームバーグ氏は声明でこう訴えた。

ブルームバーグ氏の出馬は、中道派とリベラル派の対立の深まりを象徴する。政策での主な争点は経済・社会保障だ。同氏は声明で「私のような富裕層への増税」を掲げたが、ウォーレン氏らが格差是正に向けて唱える富裕層への資産課税は憲法違反と断じる。国民皆保険にも巨額の財源確保が困難として反対だ。

リベラル派の反発は強い。サンダース氏は「数千万ドルを投じて選挙を買収しようというアイデアにはうんざりだ」とこき下ろした。

もっとも、ブルームバーグ氏の出馬はバイデン氏や新たな中道派として知名度を高めているインディアナ州サウスベンド市長のブティジェッジ氏と支持層を奪い合うにすぎないとの見方もある。結果的にリベラル派の指名獲得を手助けすることにもなりかねない。

民主の候補選びは2月の中西部アイオワ州の党員集会で正式に始まる。ブルームバーグ氏は同州やニューハンプシャー州など序盤戦は切り捨て、西部カリフォルニアや南部テキサスなど10州以上の予備選が集中する3月3日の「スーパーチューズデー」に集中する戦略を描いている。こうした手法が通用するかは見通せない。

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