衛星のサイバー対策、PwCコンサルが提供

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2019/11/25 16:45
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PwCコンサルティング(東京・千代田)は25日、人工衛星など宇宙関連の設備や施設を対象にしたサイバー対策の支援サービスを開始したと発表した。データの暗号化や体制整備、復旧計画などサイバー攻撃への備えができているかを評価したり、リスクを分析して顧客が抱える課題と改善案を提示したりする。衛星関連企業や公共機関に提案する。

宇宙関連システムのサイバー脅威を解説するPwCコンサルティングの名和利男最高技術顧問

約3カ月間で顧客のサイバー対策の評価、リスク分析、改善案や実行計画の立案を実施する。全地球測位システム(GPS)などに使われる電波信号への妨害やなりすまし、地上局で運用するシステムの乗っ取りなどの脅威を想定する。

衛星はいったん打ち上げたら改修が困難なうえ、打ち上げ前からサイバー攻撃を仕掛けられる恐れがあるといった宇宙関連システム特有の状況に応じた助言を提供する。

希望する顧客には、サイバー攻撃が発生した際の対応手順に不備がないかを確認する机上演習も実施する。既に数件の引き合いがあり、3年間で数億円規模の売り上げを目指す。

同社最高技術顧問で航空自衛隊の出身である名和利男氏は、2000年代後半から宇宙関連システムへのサイバー攻撃がしばしば発生してきたと指摘する。さらに今後は「暴動を起こすような従来型の攻撃と、サイバー攻撃を組み合わせたハイブリッドの脅威にも備えが必要」という。

宇宙関連システムへのサイバー脅威が高まっている背景には、民間企業の本格参入によって宇宙関連システムの増加が見込まれることがある。PwCコンサルティングの調査では、人工衛星は今後10年で4倍の2万基以上に増える見通し。

民間企業の宇宙分野への参入が増え、その影響で人工衛星システムに汎用のハードやソフト、クラウドの活用が現状よりも進むという。汎用品は一般に流通量が多い分、サイバーセキュリティー上の欠陥が専用品よりも見つかりやすい。欠陥が見つかればサイバー攻撃に遭いやすくなる。

他方、米国、中国、ロシアなどが近年、宇宙の軍事を専門とする部隊の創設に動いている。日本も20年度には「宇宙作戦隊」(仮称)を新設する見通しだ。各国政府や政府の支援を受けた組織が軍事目的で宇宙関連システムへのサイバー攻撃を仕掛ける機運も高まっているといえる。(島津忠承)

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