離婚の決め手はDNA 「計算された人生」は幸せか
データの世紀 理解者はキカイ(2)
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横浜市の板東洋介さん(仮名、42)は毎週末、普段は元妻と暮らす息子(9)と公園で遊ぶ時間を心待ちにする。離婚から2年がたち、元妻と会っても会話はほとんどない。「離婚はDNAデータが決め手だった。後悔はしていない」と話す。
結婚は8年で冷え切ったが、息子もいて終止符を打つか当時は迷った。「判断材料がほしくて」遺伝子検査の相性判定サービスに頼ると、相性スコアは「48%」。「(この遺伝子パターンでは)長続きするカップルは少数」と説明された。板東さんは「生物的に合わないならと吹っ切れた。妻も納得した」と振り返る。
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データ資源は21世紀の「新たな石油」といわれる。企業や国の競争力を高め、世界の経済成長の原動力となる。一方、膨大なデータを独占するIT(情報技術)企業への富と力の集中や、人工知能(AI)のデータ分析が人の行動を支配するリスクなど人類が初めて直面する問題も生んだ。
連載企画「データの世紀」とネット社会を巡る一連の調査報道は、大きな可能性と課題をともにはらむデータエコノミーの最前線を追いかけている。