冬の旅にほしくなる 「たためる」高機能ダウン3選
冬の旅行が快適になる注目アイテム

気が付けばもう師走。年末年始に旅行や帰省を計画している人も多いだろう。そこで今回は、冬の旅路を快適にするアイテムを3回にわたって紹介する。第1回に取り上げるのは、パッカブル仕様のダウンジャケット。コンパクトに折りたためるので、旅行カバンに収納しやすい点がメリット。例えばハワイやグアムなどに旅行する際、かさばるアウターは現地では邪魔でしかない。この荷物の問題を解消してくれるのが、パッカブルダウンなのだ。今回は信頼性の高い本格アウトドアブランドの製品を紹介する。
ぬれても暖かさを保持/エル・エル・ビーン

パッカブルウエアの人気は高い。「店頭では、接客時にパッカブルであることをおすすめポイントとして説明すると、購入につながる決定打となりやすい」と話すのはエル・エル・ビーン・インターナショナルのPR東野由子氏。それだけパッカブルアイテムの需要が高まっているのだ。
アウトドアや登山時のレイヤード(重ね着)として使うアウターは、気温や天候の変化に合わせて脱ぎ着する機会が少なくない。エル・エル・ビーンでは「脱いだときにも荷物にならないようにパッカブルにしているものが多い」という。今回紹介する製品も、そんなレイヤードを目的とするアウターのひとつ。
2014年に登場したフード付きモデルで、はっ水性と復元性に優れた850フィルパワーの高品質ダウンを使用(フィルパワーは羽毛のかさ高性を示す数値。大きいほど空気を多く含むことができ、保温性も高くなる)。ぬれた状態でも暖かさを損なわず、高い保温力を発揮するという。

表生地には、軽さと耐久性に優れたナイロン製パーテックス素材を採用。密に織られた極薄生地で、折りたたむとコンパクトになる。
別袋に入れるスタイルではなく、外ポケットに本体を圧縮して収納するポケッタブル・デザイン。同社の企画担当がアウトドアで実際に使用し、ポケットにしまい込めて、いつでもどこでも容易にパッカブルにできることが重要と考え、この仕様にしたという。
内側には、スマホやミュージックプレーヤーを入れられるコードポート付きポケットを装備。家庭用洗濯機で洗えるなど使い勝手がよい。
「11月に入り、売り上げは急激な伸長を見せている」(東野氏)。メンズ、ウィメンズ、キッズサイズで展開されており、色・サイズも豊富なためファミリー層にも支持されているという。
ボリュームありながらコンパクトに/カリマー

「UL(ウルトラライトの略で、アウトドアの装備を軽量化する傾向)やトレイルランの流行により、荷物の軽量化・コンパクト化は非常に注目されている」と話すのは、カリマーインターナショナルのプレス、平野咲氏。登山・アウトドアにおいて、パッカブルは重要視されることから、同社でも数多くのパッカブルアイテムを展開している。

本製品もカリマーでは定番となっているエントリーモデルだ。ボリュームがありながら、付属の専用ポーチに収納できるパッカブル仕様だが、700フィルパワーのダウンを使用し、見た目通り非常に暖かい。2019年モデルでは前面のステッチラインをなくすことで冷気の侵入を軽減したという。
表生地には、耐久性の高いリップストップナイロンを採用。脇ポケットの内側は、起毛したハンドウォーマータイプとなっているのも見逃せない。
「2018年の秋冬シーズンは、弊社ECサイトで11月ごろより販売数が急速に伸び、年明けごろには品薄になった人気モデル」(平野氏)。主な購買層は30~40代の男性だが、近年では女性の購買も増えているという。
本体ポケットに小さく収納/ナンガ

メイド・イン・ジャパンにこだわる日本ブランド、ナンガのパッカブルモデル。寝袋メーカーとして創業したブランドだけに、保温性が非常に高く、脇ポケットのほか前面に大型ポケットを搭載しており、インナーとしてもアウターとしても重宝する。
760フィルパワーのスパニッシュダックダウンを使用。冷気が侵入するコールドスポットを最小限に抑えるため、ダウンジャケット表面のキルト(縫い目)はダウン量に合った太さを採用し、さらにフード口と袖口にシャーリングゴムを使うことで外気を遮断し保温性を確保している。

内ポケットに本体を収納するパッカブル仕様で、寝袋をポーチに収納する要領で圧縮して入れる。パッキングした状態はかなりコンパクトなので、バッグのメインコンパートメントはもちろんのこと、登山用リュックのサイドポケットにも収納できる。
「11月から販売を開始し、寒くなったと同時に売り上げが伸びている」(ナンガ広報部)。登山用のアウターとして展開しているため、登山やキャンプのようなアウトドアライフを楽しむユーザーから支持されているという。とはいえ、今回した3製品の中ではもっともコンパクトになる。ぜひ実物をチェックしてほしい。
(ライター 津田昌宏、写真 宮前一喜=APT、スタイリング 宇田川雄一)
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