千葉県の情報収集に「受け身」批判 災害対応を検証

2019/11/22 19:59
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千葉県は22日、今秋の台風や大雨への県の対応を検証する有識者会議の初会合を開いた。台風15号での情報収集や災害対策本部の設置に関し、有識者からは県の判断や対応に不備があったとの指摘が相次いだ。県は有識者会議や庁内プロジェクトチームによる検証結果を踏まえ、年内にも最終報告をまとめる。

千葉県は災害対応検証会議の初会合を開いた(22日、千葉県庁)

千葉県は災害対応検証会議の初会合を開いた(22日、千葉県庁)

「被害が大きい地域から情報が入ってこないのは当たり前だ。市町村が防災情報システムに入力する被害の数字に依存すべきではない」。台風15号で被災地の情報収集が遅れたことに対し、有識者は県の「受け身」の姿勢を批判した。

県側は「防災電話などで市町村と連絡を取れる状態だった」と説明したが、県市長会・町村会から選ばれた有識者は「市町村の通信が途絶した実態はある。県の説明には驚いた」と反論。座長の吉井博明・東京経済大学名誉教授が当時の通信状況を調査するよう県側に要請した。

台風15号では県の情報収集が不十分で、災害対策本部の設置や職員派遣が遅れた。加えて県は被災翌日の9月10日に災害対策本部を設置した際、庁内ルールで定める関係部局の職員を招集せず、防災危機管理部だけで運営していたことも明らかにした。同部の岡本和貴部長は「危機感が薄かったと言わざるを得ない」と釈明した。

県は森田健作知事の9月9~10日の間の動向についても報告した。9日は終日公舎で待機していたが、県庁からの被害報告が5回、対応に関する職員への指示が6回あり、有識者は「報告や指示はきちんとしており、最低限の仕事はしていた」と評した。ただ、翌10日に県内を私的に視察したことには「(県庁で)しっかり指示を出すことが普通の首長のあり方だ」との批判が出た。

台風15号で県は救援物資のプッシュ型支援を実施せず、被災自治体が県の備蓄倉庫に自ら受け取りに来る事態が生じた。有識者側は「十分な物資がある場合はプッシュ型支援をすべきだ。『見逃し』よりは『空振り』の方がいい」と指摘。非常用発電機など県の備蓄物資の多くが活用されなかった反省から「県や市町村の備蓄が一目でわかるシステムが必要だ」との指摘もあった。

初会合を前に森田知事は「私自身の行動を含む本県の災害対応は十分でなかった点、適切とは言えなかった点もあったと受け止めている」との談話を発表。防災計画や初動体制の見直しに向けて「県の対応を厳しい目で検証してほしい」と要望した。

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