香港法案、トランプ氏署名が焦点 貿易交渉に影

トランプ政権
2019/11/22 21:02
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【ワシントン=永沢毅、北京=羽田野主】米議会が香港での人権尊重などを支援する「香港人権・民主主義法案」を可決し、焦点はトランプ大統領が成立に向けた署名に応じるかどうかに移った。人権問題で中国に強硬姿勢を示す議会はトランプ氏に圧力をかける。成立すれば中国が態度を硬化させるのは必至で、米中貿易交渉が暗礁に乗り上げる可能性もある。

トランプ米大統領=AP

米議会の超党派議員は21日に記者会見し、トランプ氏に成立に向けた署名を求めた。法案を主導した対中強硬派のマルコ・ルビオ上院議員(共和)は「大統領は署名すると考えている」と述べた。米メディアもトランプ氏が近く署名するとの観測を伝えている。

中国政府は香港を絶対に譲れない「核心的利益」と位置づける。人権法案の成立を内政干渉ととらえ、報復措置をとる方針を示す。米中対立の火種は貿易、安全保障から人権にまで広がり、抜き差しならない状況だ。

中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は22日、北京を訪れたキッシンジャー元米国務長官と会談し「米中関係は重要な時期にあり、いくつかの困難と挑戦に直面している」と発言した。習指導部は対米関係の悪化でも「トランプ氏への個人攻撃」は控えてきた。米中首脳の信頼関係を担保し、決定的な対立を回避するためだ。

だがトランプ氏が署名に踏み切れば、習指導部が強く反発するのは間違いない。米中は貿易交渉で農業や金融分野など「第1段階の合意」をめざしてきたが、いまだに折り合えていない。人権法案の影響で年内合意は困難との見方も浮上している。

人権法案についてトランプ氏が拒否権を行使する可能性もある。この場合、上下両院がそれぞれ3分の2以上の賛成で再可決すれば法案が成立する仕組みだ。中国側への配慮を示す効果はあるが、態度軟化まで引き出せるかは見通せない。

トランプ氏が署名もせず、拒否権も行使しないケースでは日曜日を除いて10日たてば法案は成立する。人権法案の行方は米中関係を根底で揺さぶる要因になる。

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