「アナ雪2」監督ら リアルさより観客の信頼を重視

文化往来
2019/11/23 2:00
保存
共有
印刷
その他

映画「アナと雪の女王2」の場面(C)2019 Disney.All Rights Reserved.

映画「アナと雪の女王2」の場面(C)2019 Disney.All Rights Reserved.

「レット・イット・ゴー」と歌うテーマ曲とともに、世界中でブームを巻き起こした米ディズニーのアニメーション映画「アナと雪の女王」。6年を経て、続編となる「アナと雪の女王2」が公開中だ。前作では、触れたものを凍らせる魔力を持ったために心を閉ざす王女エルサと、彼女を救おうとする妹アナの愛と冒険を描いたが、今回は姉妹が仲間とともに魔力の秘密を解き明かす冒険の旅に出る。

監督はクリス・バックとジェニファー・リーのコンビ、プロデューサーはピーター・デル・ヴェッコ。いずれも前作から引き続いての登板だ。「続編を、という声があがるかもしれないと思っていたが、実際に着手したのは前作の公開から1年後。世界がキャラクターに望むものではなく、キャラクター自身が望むであろう物語を作ろうと思った」とバック監督は語る。

とりわけ印象に残るのが水や氷の映像表現だ。これらはアニメーション表現のなかでも難しいことで知られるが、今回は本物の水を感じさせる透明感を保ちながら生き物のように躍動させた。新たなソフトを開発し、加えて大勢のスタッフによる人海戦術で可能になった表現だという。「波とともに水でできた馬が駆け上がっていく場面など、大きな挑戦だった。進化したストーリーにはそれを具体的な形にする挑戦が欠かせないんだ」とヴェッコプロデューサーは言う。

アニメーション映画「アナと雪の女王2」のジェニファー・リー監督(中央)とクリス・バック監督(左)、ピーター・デル・ヴェッコプロデューサー(右)

アニメーション映画「アナと雪の女王2」のジェニファー・リー監督(中央)とクリス・バック監督(左)、ピーター・デル・ヴェッコプロデューサー(右)

野生動物を本物そっくりにCGで描いた映画「ライオン・キング」など、最近の映像技術の進化はめざましいものの、「動く絵」というアニメーションの伝統を失いたくないという。「重要なのは見た目のリアルでなく、信じられると観客に思ってもらえるような世界観。アニメーションだからこそ味わえる想像力を絶対になくしてはならないと思っている」とリー監督は力を込める。

2人のヒロインが困難を乗り越え、自らの手で人生を切り開いた前作のヒットは、女性を主人公にした冒険アクション映画などに大きな影響を与えた。バック監督は「新しい波が来たタイミングで僕たちの作品が公開された。ただ、作品が成し得たことは誇らしく思っている。2人のヒロインはパワフルだが、短所もあってパーフェクトではない。だからこそ観客に愛されたんだ」と語る。

リー監督は前作でディズニーの長編アニメ史上初の女性監督となり、現在は同社制作部門のトップを務める。「女性監督がもっと多くいていい世界だと思うが、前作のヒットでいろいろな扉が開かれた。(自分が制作部門のトップに就いたことで)他の女性たちにも変化が生まれている。これは大きな意味がある」とリー監督は話す。

(関原のり子)

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]