消費者物価、消費増税でも伸び鈍く 10月は0.4%上昇

2019/11/22 10:07
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総務省が22日発表した10月の全国の消費者物価指数(CPI、2015年=100)は、変動の大きい生鮮食品を除く総合で102.0と前年同月に比べて0.4%上がった。伸び幅は消費税率引き上げの影響を差し引くと0.2%と、2017年3月以来2年7カ月ぶりの低水準になった。エネルギー価格の下落も下押し圧力となり、物価上昇が鈍いままだ。

CPIは税込みで実際に消費者がモノやサービスを買った価格を反映する。増税があれば通常はその分だけ上がる。総務省の機械的な試算では、10月の物価上昇率への消費増税の寄与度は0.77%だった。家賃のような非課税品目や食品の軽減税率などがあるため、単純に増税分2%の上乗せにはならない。

さらに増税に合わせて始まった幼児教育・保育の無償化が0.57%分のマイナス要因になった。全体として今回の増税による物価の押し上げ効果は0.2%分にとどまった。これを差し引くと上昇率は0.2%にしかならない。

物価上昇率は17年1月以降はプラス基調にあるが、18年9~10月の1.0%をピークにこの1年ほどは鈍化傾向が強まっている。政府・日銀が物価の安定目標に掲げる2%は遠い。物価上昇が鈍いのはエネルギー価格の下落が続いている影響もある。10月は電気代がマイナス1.0%、都市ガス代がマイナス1.4%などで全体を押し下げた。

物価の伸び悩みの背景には消費の基調の弱さもありそうだ。需要が鈍ければ、企業も値上げを続けるのは難しい。10月は増税前の駆け込み購入の反動減もある。今回は政府も税率引き上げ分の価格転嫁を一律には求めていない。増税による急激な物価上昇が起きなかったことで、実質所得の目減りが抑えられるため、先行きの消費にはプラスに働くとみることもできる。

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