米老舗ヘッジファンド、ムーアが顧客資金の運用停止

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2019/11/22 7:51
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ムーア・キャピタル・マネジメント創業者のルイス・ベイコン最高経営責任者(CEO)=AP

ムーア・キャピタル・マネジメント創業者のルイス・ベイコン最高経営責任者(CEO)=AP

【ニューヨーク=伴百江】米ヘッジファンド大手ムーア・キャピタル・マネジメントは投資家の資産を返還し、約30年にわたって続けてきた外部向け運用を店じまいする。今後は従業員など会社内部の資産運用に特化する。同社が顧客の投資家に宛てた書簡で明らかにした。積極的な売買で高収益を上げてきたファンドも近年は利回りが低迷し、投資家からの運用報酬引き下げ圧力も高まっていた。

ムーア社はカリスマ投資家として知られるルイス・ベイコン氏(63)が1989年に創業したヘッジファンドの老舗で、運用資産は昨年末時点で約90億ドル(約9800億円)。投資家に資金を返還するのは同社の3つのマクロ運用ファンド。投資家向け書簡では「過去数年間の運用成績不振がこの決定の背景になった」と説明。また「競争の激化や顧客からの運用報酬引き下げ圧力でファンド運用が難しくなった」という。

旗艦ファンドはベイコン氏の独自のマクロ経済分析を武器に、過去30年間に年率17.6%の運用利回りを確保してきた。90年のイラクによるクウェート侵攻を先読みした売買、90年代初めの日本株下落を予想した空売りは業界でも有名だ。しかし、2008年の金融危機以降はファンドの運用成績は振るわなかった。

資産運用業界では、運用手数料の安い上場投資信託(ETF)が台頭。そのため、年金基金など機関投資家からの運用報酬引き下げ圧力は、ヘッジファンド業界全体に広がっている。すでにレオン・クーパーマン氏やジョン・ポールソン氏などカリスマ投資家と呼ばれるファンドが相次いで運用資金を投資家に返還したり、返還を決めたりしている。

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