全米覆う新興フィンテック企業の顔ぶれ

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コラム(テクノロジー)
フィンテック
2019/11/25 2:00
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米各州の資金調達額が最も多いフィンテック分野のスタートアップ
14年1月以降に実施した株式発行による資金調達のみが対象(19年11月6日時点)

米各州の資金調達額が最も多いフィンテック分野のスタートアップ
14年1月以降に実施した株式発行による資金調達のみが対象(19年11月6日時点)

CBINSIGHTS
 米国で人工知能(AI)などと金融を融合させたフィンテック関連の勢いが続いている。米国ではシェアオフィスのウィーワークが苦戦するなど、このところスタートアップの変調が話題となっているが、フィンテックには巨額のマネーが集まり続けているようだ。CBインサイツが持つ各社の調達額をもとに、全米各州のフィンテック関連スタートアップの面々をマッピングしてみた。そこから浮かぶのは多士済々の顔ぶれが米国で成熟した金融市場を揺さぶっている様子だ。

フィンテックがますます勢いづいている。2018年のフィンテック分野のスタートアップ企業の資金調達件数は2800件以上、調達額は前年比92%増の460億ドルで、どちらも過去最高を記録した。

■メガラウンド

資金調達の大型化に伴い、19年にはこの分野で調達額が1億ドルを超える「メガラウンド」は70件を超えている。主な例は以下の通りだ。

・個人向け融資アプリの米ソーファイ(SoFi、シリーズGで5億ドルを調達)

・オンライン決済サービスのクラーナ(Klarna、スウェーデン、VCラウンドで4億6000万ドル)

・スマートフォンのアプリでサービスを提供する証券会社、米ロビンフッド(Robinhood、シリーズEで3億2300万ドル)

・住宅所有者、賃貸者向けの損害保険、米レモネード(Lemonade、シリーズDで3億ドル)

日本経済新聞社は、スタートアップ企業やそれに投資するベンチャーキャピタルなどの動向を調査・分析する米CBインサイツ(ニューヨーク)と業務提携しています。同社の発行するスタートアップ企業やテクノロジーに関するリポートを日本語に翻訳し、日経電子版に週2回掲載しています。

全米にはどのようなフィンテック関連スタートアップが生まれているのか。CBインサイツのデータベースを活用し、米各州で最も資金調達額の多いフィンテック分野のスタートアップを地図に示してみた。

地図に掲載されたフィンテック分野の米スタートアップの資金調達総額は95億ドルに達している。

主な企業は個人向け融資のAvant(アバン、イリノイ州、株式発行による累積資金調達額は公表ベースで6億5500万ドル)、次世代の自動車保険を提供するルート・インシュランス(Root Insurance、オハイオ州、5億900万ドル)、レストランの財務管理システムを手がけるトースト(Toast、マサチューセッツ州、5億300万ドル)、中小企業向け融資のカバッジ(Kabbage、ジョージア州、4億9000万ドル)などだ。

ここではフィンテック企業を大まかに、(1)金融サービス業界にサービスを提供しているテクノロジー企業(2)金融商品を自社で開発、販売、運営しているテクノロジー企業――と定義している。今回の分析では、14年以降に株式発行による資金調達を実施し、500万ドル以上を調達している未上場のフィンテック分野のスタートアップを対象にした。社債発行や借り入れ、信用供与枠による資金調達は除いた。

■主なポイント

・米国のフィンテック分野のスタートアップで資金調達額が最も多いのはソーファイで、公表ベースで25億ドルに上る。サンフランシスコに拠点を置く同社は投資から住宅ローン、学生ローンの借り換えに至るまで多くの金融商品を扱う個人向け融資プラットフォームだ。

・2位は医療保険のオスカーヘルス(Oscar Health、ニューヨーク州、13億ドル)、3位は企業向けに請求書管理システムを提供するアビッドエクスチェンジ(AvidXchange、ノースカロライナ州、7億2400万ドル)だ。

・ユニコーン(企業価値が10億ドル以上の未上場企業)は8社。ソーファイ(企業価値48億ドル)、ルート・インシュランス(36億ドル)、オスカーヘルス(32億ドル)、トースト(27億ドル)、アバン(19億ドル)、アビッドエクスチェンジ(12億ドル)、カバッジ(10億ドル)、企業の売掛債権を買い取り、早期に資金化するC2FO(カンザス州、10億ドル)だ。

・調達額が1億ドルを超えているのは17社。支出管理プラットフォームのディビー(Divvy、ユタ州、2億5300万ドル)、行政取引プラットフォームのペイイット(PayIt、ミズーリ州、1億3300万ドル)などだ。

・調達額が1000万ドル未満なのは3社のみで、最も少ないのは企業向けに請求書管理システムを提供するアライド・ペイメント・ネットワーク(Allied Payment Network、インディアナ州、660万ドル)だった。

米各州で資金調達額が最も多い
フィンテックスタートアップ
会社累積資金調達額
CaliforniaSoFi25億4000万ドル
New YorkOscar Health12億6800万ドル
North CarolinaAvidXchange7億2400万ドル
IllinoisAvant6億5500万ドル
OhioRoot Insurance5億0900万ドル
MassachusettsToast5億0300万ドル
GeorgiaKabbage4億9000万ドル
MinnesotaBright Health4億4000万ドル
KansasC2FO4億0000万ドル
WashingtonRemitly3億1200万ドル
UtahDivvy2億5300万ドル
Rhode IslandUpserve1億9100万ドル
TexasAlkami Technology1億7400万ドル
MissouriPayIt1億3300万ドル
New JerseyCross River Bank1億2900万ドル
TennesseeDigital Reasoning Systems1億1600万ドル
PennsylvaniaDynamics1億1100万ドル
FloridaCortera8100万ドル
ArizonaEmailAge6600万ドル
IowaBusinessolver.com6500万ドル
DCPie Insurance6000万ドル
MichiganClinc6000万ドル
ColoradoIP Commerce5500万ドル
DelawareCollege Ave Student Loans5000万ドル
VirginiaLeaseAccelerator4200万ドル
IdahoVisitPay2700万ドル
OregonRFPIO2700万ドル
ConnecticutPayveris2100万ドル
South CarolinaCeterus2000万ドル
LouisianaLevelset1700万ドル
KentuckyVenminder1500万ドル
MarylandAllovue1300万ドル
AlabamaSpur800万ドル
MaineWallit690万ドル
IndianaAllied Payment Network660万ドル

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